第九期生

中山 一輝なかやま かずき

基礎工学研究科 システム創成専攻

大阪大学基礎工学部

あいまいなものへの探求

Q プログラムに応募した動機やプログラムの魅力は?

本プログラムに応募した動機は自分の専門領域に閉じこもらずに未知の知識や異分野の研究者との交流を研究生活に取り入れたかったためです。テーマや手法が凝り固まった時に、異分野の方からの率直な意見をいただけると状況を打開できることはよくあることなのですが、研究室に閉じこもって研究するばかりではそういう機会はなかなかありません。本プログラムを通じて、多くの方と交流を持てることは最終的に私の専門研究にも大いにプラスになることだと思っております。
そしてこのプログラムの一番の魅力は、何よりも志を同じくする同期や先輩方と知り合えたことです。会話が盛り上がっているうちに一人では思いつきようもなかった新しい研究の種が降ってきたり、実際に議論を通してそれを形にしていったりできることには、他では味わえない大きな魅力と未来に広がる可能性を感じております。

Q 自身の専門または得意分野は何で、プログラムでそれをどのように発展したい?

私の専門はHuman-Agent-Interaction(HAI)です。ロボットやバーチャルキャラクターなど「人/人らしいもの」を対象に、なぜそれは人らしく見えるのか?人らしく見せるにはどうすればいいのか?人らしさをどう社会に活かせるのか?を研究する分野で、ここ十数年で急速に発展してきた分野でもあります。
一方で、「人らしさ」を利用する文化はここ数十年に限らず仏像や宗教画などで歴史の中で脈々と受け継がれてきたものであり、真にその本質を理解するためには人そのもの、ひいては2000年も3000年も変わっていない身体や脳のしくみを調べる必要があると考えております。本プログラムを通じて生命科学や脳科学の知見から「人らしさ」を調べ上げたいです。

Q 将来の夢・目標は?

近年の人工知能の発展より、AIの意識や人権など、「人らしさ」に対する議論はより活発になるだろうと考えております。一方で「人らしさ」のようなあいまいな概念は体系化が難しく、できることは複数の分野や手法をもって光を当てるしかないと感じております。私の目標はそういったあいまいなものに対して、多分野の専門知識やエンジニアリング、時にはアートといった様々な手段をもってその本質を理解するため挑戦し続けることです。

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