第九期生

三吉 健太みよし けんた

情報科学研究科 バイオ情報工学専攻

大阪大学 工学部

斉同熟議による異分野理解を目指して

Q プログラムに応募した動機やプログラムの魅力は?

専門としているバイオインフォマティクス以外の知識についても、幅広く学習してみたいという意欲がありプログラムに応募しました。情報科学・生命機能・基礎工学の3研究科から多様な背景知識を持つ学生が参画しており、カリキュラムを通じて互いの専門知識について教え・学びあう中で、メジャーとマイナー両面の知識を深められる点が魅力の一つだと思います。また、多くの企業の方から講義やアドバイザリ等のサポートをいただいており、日頃の研究で触れることの少ない産業界の視点についても学ぶことができました。

Q 自身の専門または得意分野は何で、プログラムでそれをどのように発展したい?

細胞の代謝状態を分析し、コンピュータ予測し、細胞を望ましい状態に制御する代謝工学を専門としています。生体内では無数の化学反応が同時並行的に進行しており、これらを代謝反応と呼びます。代謝反応がどのように進行しているのか実際に目で見ることはできませんが、いくつかの仮定のもと細胞内の化学反応を線形計画問題と捉えることで細胞内代謝の推定が可能となります。専門研究を通じて、遺伝子操作株の構築に必要な遺伝子工学的手法や、代謝予測に重要な細胞外環境の分析技術、細胞内代謝シミュレーション技術などを習得中です。プログラムでは機械や電子部品等を扱える学生と協力し、細菌叢における菌体間の物質のやり取りや生態について評価する実験系の構築に取り組もうとしています。

Q 将来の夢・目標は?

多彩な技術および多角的な視野を持ち、分野横断的な研究活動を牽引したいと思います。絶えず変化する現代社会において、突如顕在化する様々な問題に対処するためには、ある一つの分野に特化した専門性を有する人材だけでなく、分野横断的に問題を理解した科学者による牽引が必要です。昨今のコロナ禍を例とすると、感染症の病因を理解するための医学・生理学や、人々の行動や関わり合いを予測・統制するための社会科学、膨大なデータモデルの構築と読み取りのための統計学など、数多くの科学者が問題解決に取り組んでいます。このような状況下において、分野横断的な視野を持つ人材は、 複数の専門知識を生かした革新的イノベーションの提案や、各分野の問題点を解することでより迅速な問題解決策の決定に貢献できると考えます。専門研究を通じて自らの専門性を深めつつ、融合研究を通じて他の領域の専門知識を獲得して自身の研究領域にフィードバックする双方向性を発揮することを目標にしています。

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