プログラムでは、履修生が自身で融合領域を開拓しその研究に取り組むことが、プログラムが目指す融合領域分野を牽引するリーダー人材の育成に不可欠と考え、これを強く推奨しています。そしてカリキュラムのなかでも2年次から段階的に融合研究に取り組める体制をとっています。
また、プログラム担当教員さらには関係研究科の教員が、履修生の融合研究活動のヒントやタネとなるような融合研究テーマを立案し推進しており、これを履修生に提供したり、履修生を参画させることで履修生への融合分野に対する教育を行うとともに、履修生の視野の拡大に繋げています。
研究成果の一例
履修生が推進してきた融合研究は様々な学会や論文で報告されています。
■本プログラム申請タイトル「シッポウフグの巣の形成原理の解明」に関する成果
履修生が主体的に立案・推進する融合研究
これらは履修生たちが授業や合宿など、斉同熟議を進める中で生まれた研究テーマです。複数の異なる研究科の履修生の参画を必須とし、年度ごとの申請・承認を経て、研究経費支援を行っています。
テーマタイトル | 参画メンバー |
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令和5年度 | |
CNV のニューロフィードバックによる集中状態の誘発・維持 | 李 佰昂(9期生/情報)、他6名 |
リーダードローンによるドローン群の協調運搬システムの提案 | LI AIYI(10期生/情報)、他7名 |
マルチモーダル刺激に対する脳活動情報アノテーションモデルの提案 | 藤野 美沙子(9期生/生命)、他4名 |
遺伝子発現プロファイル解析におけるPosterior Collapse問題及びその解決法 | PIAO XIHAO(10期生/情報)、他4名 |
共感的なカウンセリングシステムの開発 | 小谷 尚輝(10期生/基礎工)、他4名 |
令和4年度 | |
ハグロボットの表現力の拡張と映像視聴体験向上手法への応用 | 影山 雄太(7期生/基礎工)、他4名 |
非視覚情報を用いた足底部の力情報提示による運動スキル伝達支援 | 石黒 理紗(7期生/基礎工)、他5名 |
身体所有感および運動錯覚を用いたスポーツ動作の学習効果向上の試み | 三野 星弥(8期生/基礎工)、他6名 |
知的生産性変動モデルに基づいた集中状態のNeurofeedback | 西尾 直樹(8期生/情報)、他4名 |
令和3年度 | |
楽器演奏を他者に真似されることによるモチベーションの向上を行うシステムの開発と検証 | 谷口 大(7期生/基礎工)、他3名 |
人間-ロボット間のハグインタラクションにおけるロボット動作の感情表現能力の解明 | 佐藤 優志(7期生/基礎工)、他4名 |
足底圧の聴覚提示により運動スキル伝達を支援するインソールセンサシステム | 髙橋 隆(8期生/基礎工)、他5名 |
NeurofeedbackによるFlowへの導入改善訓練の提案 | 原 崇輔(8期生/生命)、他3名 |
Memory-based Sitting Gesture Supervision Desktop Robot with Emotion | Fu Changzeng(6期生/基礎工)、他3名 |
柔軟な身体を持つカブトムシ幼虫ロボットの掘進の創発 | 松本 旺二郎(8期生/基礎工)、他4名 |
スポーツにおける身体錯覚を用いた運動学習システムの開発 | 福本 慎太朗(8期生/基礎工)、他5名 |
令和2年度 | |
カブトムシ幼虫の掘進運動メカニズム解明に基づく農耕ロボットの開発 | 足立 晴彦(5期生/生命)、他4名 |
楽器入門者のスムーズな感覚運動学習を可能にする人間工学的な視触覚呈示のあり方の探究 | 福永 裕樹(5期生/生命)、他名 |
Recognizing Obstacles via Smartphone Active Sound Sensing | THILINA DISSANAYAKE(6期生/生情報)、他3名 |
人間の接触と印象を考慮した密着型ヒューマンロボットインタラクションにおける動作作成手法の開発 | 吉村 直也(6期生/情報)、他3名 |
多指ハンドにおける少数パラメータ制御を実現するシナジー自動獲得プラットフォームの提案 | 東 和樹(6期生/生命)、他3名 |
平成31年度 | |
情動を表出するセンサ・アクチュエータネットワークの構築 | 于 士琪(5期生/基礎工)、他3名 |
平成30年度 | |
生体細胞がネットワーク構造を形成する原理に対する数理と実験の双方向からの解析 | 岩崎 悟(3期生/情報)、他3名 |
人間らしい動作を用いたロボットの感情表現に関する研究 | 八木 聡明(5期生/基礎工)、他3名 |
平成29年度 | |
脳を模倣した学習器群による鏡像自己認識機構の獲得 | 南 宇人(2期生/生命)、他4名 |
深層学習を用いた音楽自動耳コピシステム:単一楽器から多数楽器へ | 三田 真志郎(4期生/生命)、他5名 |
分身との共生社会に向けた対話の追体験システムの開発と応用 | 渡辺 美紀(1期生/基礎工)、他5名 |
ロボットを用いた利用者の抵抗感の少ない介護行動記録システムの開発 | 島谷 二郎(3期生/基礎工)、他3名 |
平成28年度 | |
協調Web検索を伴う意思決定における説得力を持つ情報推薦アルゴリズム | 冨永登夢(二期生,基礎工)、他4名 |
絵画のコンテンツとスタイルが審美のタイムスケールに与える影響の解析 | 垣塚太志(一期生,生命)、他3名 |
分身エージェントを介した会話経験共有方式における自己主体感の役割 | 酒谷佳寛(二期生,情報)、他5名 |
Multi-target Detection and Gravitation by Self-organizing Bioparticles | Anthony Abraham(二期生,生命)、他3名 |
高度好熱菌の低温適応進化 | 酒井智史(一期生,生命)、他3名 |
平成27年度 | |
グループ意思決定を支援するリーダー型人工エージェントシステムの構築 | 中村達哉(一期生,情報)、他3名 |
視覚刺激による魚の群れの誘導 | 有本庸浩(一期生,基礎工)、他5名 |
分身エージェント間の会話が対人関係に与える影響の解明 | 中西惇也(一期生,基礎工)、他5名 |
Modeling Intelligent Self-Organizing Swarms of Bio-particles for Uniform Occupancy of Arbitrary Dimensions |
楊剣(二期生,情報)、他4名 |
平成26年度 | |
メダカ(Oryzias latipes)の色覚メカニズムの解明 | 芝井厚(一期生,情報)、他7名 |
エイの形態学的特徴の模倣による操作性の高いRajiform推進型水中移動機構の実現 | 浦井健次(一期生,基礎工)、他3名 |
教員が実施し履修生へ参画機会を提供する研究
これらは異なる研究科に所属する教員同士が議論して生まれた融合研究のタネを提示し、履修生の参画を促している研究テーマです。参加を表明した履修生と教員が議論する中で、新たな履修生主導型の融合研究が創出されていきます。
* 年度のべ数
テーマタイトル | 採択時期 | 経費支援 期間 |
参画教員 | 参画 履修生数* |
その他参 画学生数* |
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平成29年度~ | |||||
生殖細胞の維持と分化を制御するインスレータータンパク質の機能解析 | H29/5 | H29 | 甲斐 歳恵 | - | 2 |
多重のTORC1入力経路に呼応した窒素代謝フラックスの解明 | H29/5 | H29 | 野田 健司,他 5名 | 1 | 1 |
マイトファジーの亢進が引き起こす代謝変動の解析 | H29/5 | H29 | 岡本 浩二,他 2名 | - | 3 |
遺伝子情報を基にした脳神経回路モデルによる新規人工知能の開発 | H29/5 | H29 | 八木 健,他 2名 | - | 1 |
平成28年度~ | |||||
Mitophagyを用いた出芽酵母代謝機能制御 | H28/5 | H28~H29 | 清水 浩,他 3名 | - | 4 |
生命の仕組みを有し人間に調和した情報技術に基づく生活空間システムの構築 | H28/5 | H28~H29 | 細田 一史,他 3名 | 2 | 19 |
脳機能ネットワークのダイナミック分析 | H28/5 | H28~H29 | 村田 正幸,他 4名 | - | 4 |
脳機能ネットワークの構造分析 | H28/5 | H28~H29 | 村田 正幸,他 3名 | - | 4 |
脳情報処理のベイジアン分析 | H28/5 | H28~H29 | 村田 正幸,他 3名 | 1 | 2 |
ミトコンドリアの変化に応答した細胞内リモデリングの定量プロテオーム解析 | H28/5 | H28 | 岡本 浩二,他 2名 | - | 2 |
受容体干渉薬剤の投与による長期記憶成立の制御 | H28/5 | H28 | 小倉 明彦,他 2名 | 1 | 1 |
ロボットによる効果的なプレゼンテーションのためのジェスチャと視線行動・印象との関連分析 | H28/5 | H28 | 前 泰志,他 1名 | - | - |
複雑な人工システムのエネルギーマネージメントのための深層学習を用いた予測モデルの検討 | H28/5 | H28 | 中村 泰,他 1名 | - | - |
平成27年度~ | |||||
シッポウフグの巣の形成原理の解明 | H27/5 | H27~H29 | 近藤 滋,他 4名 | 1 | 10 |
人工細胞を送受信機とする分子通信システムの設計と実装 | H27/5 | H27~H28 | 市橋 伯一,他 1名 | - | 2 |
ロボット技術を用いた動的環境制御に基づくべん毛モータの解析 | H27/5 | H27~H28 | 小嶋 勝,他 1名 | 2 | - |
高変異率環境下での生物進化の理論予測と実験検証 | H27/5 | H27 | 津留 三良,他 3名 | - | 2 |
膜電位感受性色素イメージングによる神経回路発達過程の解析 | H27/5 | H27 | 小倉 明彦,他 2名 | 1 | - |
発光性植物が人間の心に与える癒し効果の調査 | H27/5 | H27 | 沼尾 正行,他 4名 | - | 1 |
Comparison of relationship and cost of anatomical and functional brain network topologies | H27/5 | H27 | 村田 正幸,他 2名 | - | 1 |
Investigation of persistence of network community structure under varying tasks using fMRI | H27/5 | H27 | 村田 正幸,他 2名 | - | 1 |
平成25年度~ | |||||
高度好熱菌のシステム解析 | H25/7 | H25~継続 | 清水 浩,他 4名 | 2 | 6 |
生物由来の素材で実現する新しいセンサネットワークに関する研究 | H25/7 | H25~継続 | 中野 賢,他 2名 | 3 | 3 |
染色体分配異常時における中枢代謝のシステム解析 | H25/7 | H25~継続 | 清水 浩,他 3名 | 2 | 6 |
生体シュミレーションにおける大規模計算と大規模可視化の融合 | H25/7 | H25~継続 | 下條 真司,他 7名 | 11 | 10 |
進化計算に基づく筋骨格構造発生課程の解明 | H25/10 | H25~継続 | 仲田 佳弘,他 3名 | 2 | 5 |
生体システムを模倣した多自由度ロボットシステムの調和的な制御 | H25/7 | H25~H27 | 中村 泰,他 3名 | 2 | 1 |
生命システムの高次機能の理解と制御 | H25/7 | H25~H27 | 中野 賢,他 3名 | 8 | - |
突然変異の数理モデルとシミュレーション実験 | H25/7 | H25~H26 | 中野 賢 | 6 | - |
Simple cell growth model | H25/7 | H25~H26 | 中野 賢 | 6 | - |
持続発展可能な生命・情報システムの原理抽出 | H25/7 | H25~H26 | 細田 一史,他 3名 | 0 | - |
生命体のロバスト性の解明と情報ネットワークへの応用 | H25/7 | H25~H26 | 村田 正幸,他 2名 | 4 | - |
情報通信マルチエージェントシステムの自己組織化 | H25/7 | H25~H26 | 村田 正幸 ,他 3名 | 2 | - |
情報通信ネットワークの制御系設計 | H25/7 | H25~H26 | 村田 正幸,他 3名 | 2 | - |
生命感を感じさせるロボットシステムのミニマルデザイン | H25/7 | H25~H26 | 石黒 浩,他 4名 | 2 | - |
抱擁型コミュニケーションデバイスの工学的心理研究 | H25/7 | H25~H26 | 石黒 浩,他 4名 | 2 | - |
アンドロイドを用いた自閉症患者の社会的応答に関する研究 | H25/7 | H25~H26 | 吉川 雄一郎,他 4名 | 2 | - |
細胞内カルシウムの光操作による神経活動の人為制御手法の確立 | H25/7 | H25 | 永井 健治,他 3名 | 1 | - |