第一期生

徳山 健斗とくやま けんと

情報科学研究科 バイオ情報工学専攻

大阪大学工学部出身

インタビュー

新しいことにチャレンジする

興味がわく新しいことには何でもチャレンジする。釣りはそれまで未経験だったが、面白そうだからと大学では釣り部に入った。毎年夏、長崎・五島列島や伊豆などで、一週間は離島で釣り三昧の日々を過ごすそうだ。フェリーで渡り、時にはテント泊もする。釣った魚は自前の出刃包丁でさばき自炊するという。

大学で生物をテーマに選んだのも「やったことがなかったから」。大学院では、微生物に有用な物質をたくさん作らせる研究に取り組んでいる。よく分からないところが、生物の面白さだという。「たとえゲノムの全情報がわかったとしても、それはおおまかな日本地図が描けたようなもの。どこの道が広いのか、起伏が激しい道なのか、渋滞しているのはどこか、詳細はわかっていない状態」、と生物の研究を例える。

博士後期課程の2年次には、微生物による生産が難しい複雑な化学物質に挑戦したいと思い、米国レンセラー工科大学のKoffas教授に自ら共同研究を提案し、医薬品の原料となるフラボノイドの生産研究を行った。2か月半という短期間であったが、計画を立て・実施することで、生産性を3倍以上に向上する事に成功した。

分からないから、面白い

研究室にて

研究は失敗することの方が多い。しかし生物が思い通りに動いてくれなかったときこそ、今までの知識が足りなかったところ、よく分かっていないところが見えてきて面白いという。

「この遺伝子をこれだけ動かせばいい、と分かったとして、その通り遺伝子を動かすんですけど、今度はそれとは別のねじが緩んだりする。そういうところが、すごく難しくて、面白い」。

現在は、生物らしさを活かして生物を制御しようと取り組んでいる。人間が一つ一つねじを締めていっても、別のねじが緩んでしまう。それならば、生物にとって最適な環境を与え、生物が自分でよりよくなろうとする性質を活かして「生物らしく制御する」ことを目指す。

自身の強みは、トライアンドエラーが得意なところと分析する。自身の立てた仮説がうまくいかなかったときに、考えられる問題点を収集して、「じゃあ次はこれを試そう」と作戦を変えていける対応力があるからだ。また、これまでの数多くのチャレンジを通じて、情報科学・発酵工学・分子生物学・遺伝子工学・分析科学といった幅広いアプローチ方法を習熟してきた。たとえ、やったことの無い新しい手法だったとしても億劫することなく挑戦できる実行力もある。

前に立ってしゃべるやつ

HWIPは、「本当に自分のやりたいことができる」環境だという。異分野の履修生や先生方をはじめとした人のつながりも、かけがえのないものと感じている。「研究で、ちょっとこういうところで困ってんねんけど」と、すぐに連絡を取り合える。実験のこつ、プログラムの書き方、分析の仕方なども気軽に相談できる。逆に自分から教えて感謝されることもしばしばという。

一時は高校の教師志望だったこともあるぐらい、人に説明したり教えたりするのも好きだ。高校生のとき、自分で数学の問題をつくり、一コマ講義させてもらったことをよく覚えている。何かを人に教えて、分かってもらえるととても嬉しい。周囲からは「前に立ってしゃべるやつ」だと言われている。

将来は、興味あることを追い続けられる、そんな研究者を続けたいと考えている。

2016年12月インタビュー

柔軟に考えられる人になりたい。

Q プログラムに応募した動機は?

 生命機能の研究を深めていくために役立つと考えて参加しました。ロボティクスなどの新たな知識を吸収し、今までの自分の研究を生かしながら、生命現象について探究していきたいと思っています。

Q 将来の夢・目標は?

まだあまり具体的ではありませんが、プログラムに参加しているほかの研究室の人たちとコラボして、特色のある研究を行っていきたいです。そのために今は、視野を広げていきたいし、アプローチの方法も一つだけじゃなくて、いろいろもっておきたいと考えています。何より、いろいろなことが柔軟に考えられる人になりたい。それが目標です。

Q プログラムの魅力は?

全く異なる分野の知識に触れられること。また、学生主体で研究を進められることです。

学生同士の相互作用によって、新しいことができそう。いろいろな方向に広がっていきそうで楽しいです。自分の分野について異分野の人に説明するのは難しいですが、あらためて自分の研究をきちんと振り返ることができます。それぞれの研究分野で重視する視点が違うことを知りましたが、同時に共通点にも気づきました。ほかの人の研究を聞いていると、融合研究できそうな内容が多いなと思いました。今後が楽しみです。

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