第一期生

澤田 莉沙さわだ りさ

生命機能研究科 生命機能専攻

愛知教育大学教育学部出身

sawada

インタビュー

わくわくするような「オモロイ研究」を求めて

いきものが好き。人間が想像もつかないような見た目や機能をもつ生物たちに惹かれ、生物学に興味をもつ。生物や生命現象のおもしろさを伝えたくて、大学時代は教育を専攻し、理科の教員を目指す。教育実習で出会った子どもたちの洞察力や着眼点に自分自身の“より深い生物への興味”が刺激され、大学院進学を決めた。

研究室にて

専門研究のテーマは、【魚の体表模様ができる仕組みの解明】。「いきものを構成する細胞は、何もヒントのない状態から、自立的に複雑なカタチをつくる。魚の模様も同じ。“勝手に”カタチが作られるという現象こそ、生命の美しさであり、おもしろさであると感じます」。 多様な体表模様をもつ魚を観察できることも含め、たくさんの生物に会うことができる水族館施設が大好きで、全国の水族館を巡ることが趣味。これまでに80ヶ所以上の水族館を訪れるなど、かなり熱を入れている。

また、好きな生物の中には“人”も含まれる。「人との関わり合いが好き。自分とは違う価値観をもった人と出会うことに、とても関心があります」。

「チャレンジする」「無かったらつくる」でHWIPを面白く

HWIPの一期生として、教員や事務の方とともにプログラムを作っていった。「チャレンジできるところがHWIPの良さ。学生自らが有意義だと思うプログラムやイベントをつくる。それを支えてくれる環境がありました」。合宿形式の異分野融合ワークショップビジネスモデルビジネスマナーの講座などのイベントを先導して立ち上げた。

融合研究では、【エイの形態模倣ロボットの開発】を行う。生物のおもしろい動きをロボット工学に取り入れられないかとの議論を交わした後に発案。工学系、情報系の仲間と試行錯誤しながら研究プロジェクトを遂行し、国際学会や論文誌で成果を報告した。

イベント企画や融合研究を通して得たものは、「様々な視点を踏まえて議論を進めていくことの重要性」。「人によって、物事の優先順位や理解のプロセス等は違う。互いの視点を理解したうえで、議題の本質を話すことが、真のコミュニケーションだと気づきました」。

ひとりひとりが「オモロイ!」と思えるサイエンスを

HWIPのアウトリーチの講義で、子どもだけでなく社会一般に科学を伝える、”サイエンスコミュニケーター“という職を知り、関心を持つように。自ら進んで勉強会に足を運び、サイエンスに関わる様々な業種の人たちと交流することで、サイエンスコミュニケーションの本質は、科学をわかりやすく伝えるだけでなく、サイエンスの考え方や物事のとらえ方を伝え、広げていくことだと感じている。

インターンシップ活動は、EXPOCITY内にある水族館NIFRELで行った。魚の模様に関する専門的な知識を活かし、そのおもしろさについて一般市民や館内スタッフへ伝える仕事。「NIFRELの『感性にふれる』というコンセプトは、サイエンスコミュニケーションの理想的な形だと考えています。知識や情報を伝えるだけではなく、人の感性を刺激し、わくわくとした感情を生み出したい」。

現在は、海外のサイエンスコミュニケーションにも興味があるという。「生物のおもしろさ、サイエンスのおもしろさ、コミュニケーションのおもしろさ。博士課程とHWIPを通じて得られた様々な『オモロイ』を、洋の東西を問わず、世の中に広めていける人になりたい」。

2016年12月インタビュー

サイエンスのおもしろさを人々に伝えたい。

Q プログラムに応募した動機は?

もともと、理科の先生になりたくて教育大に入学しました。しかし、子どもたちに理科のおもしろさを伝えるには、まず自分が生物科学の知識を深めることが大切と思うように。そのために深く生物学を学んだ結果、研究に打ち込みたいという思いが強まり、教育学と生物科学の融合をめざしてプログラムに応募しました。

Q 将来の夢・目標は?

サイエンスのおもしろさを多くの人々に広めたいです。このプログラムを通じて、コミュニケーション能力を高めるとともに、リーダーシップ、マネジメント能力を身につけることが大切だろうなと考えています。

Q プログラムの魅力は?

魅力は、自由が多い点だと思います。このプログラムは、これまでの学びのバックグラウンドにとらわれず研究することができ、自分でプログラムを作っていくことができます。初めは戸惑いましたが、今は満足。学生は皆、自由に研究できるこのプログラムに参加できることに、喜びと誇りをもっているのではないでしょうか。
プログラムに参加して、研究内容のポスター作りやプレゼン、英語でのディスカッションなどを経験。これからの研究生活にとって、よいスタートが切れました。今後は、研修会や合宿などのイベントを通じてネットワークを拡大し、融合研究の足がかりを見つけたいと考えています。

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