第一期生

清水 天馬しみず てんま

生命機能研究科 生命機能専攻

筑波大学生命環境学群出身

インタビュー

新しい事に躊躇しない

「新しい事をするのに躊躇しない。どこにでも行けるし海外にも全く抵抗がない。それが強みだと思います」と話す。

父の影響が大きいという。医師として働いていた父は、恵まれている人たちの治療よりも優先すべきことがあるからと、熱帯医学をフランスで学び治し、今はセネガルで医療政策のアドバイザーとして働いている。

父の赴任先に同行し、中学はアフリカの現地校に入り、英語・仏語で授業を受けていた。小学校から続けていたサッカーのおかげで、現地でも友達ができた。

進化における共生の謎を知りたい

大型犬、ハト、ハリネズミ、カメレオンなど、たくさんの生き物に囲まれた家で育った。生物への興味は、その環境に由来するのかもしれない。

大学受験の頃に読んだ本をきっかけに、進化における共生の役割に関心を持った。動物は呼吸するために、細胞の中に小さな粒(ミトコンドリア)を持っているが、これは元々別の生物だったと考えられている。「進化の過程で別々の生き物が掛け合わさって、いきなり大きな変化を遂げる共生のプロセスの道筋を明らかにしたいと思いました。それが分かれば、実験的に新種を作ることもできるようになるかも知れないと思って」。

大学院では、共生が起こった時に、取り込まれた側の細胞のDNAがどんどん小さくなるメカニズムや、小さくなることにどんな効果があるのかを研究している。

新しい生物を作ることが夢という。「父が金魚の新種を作ったりしていた影響もあると思いますが、もともと自分で何かを作りたい、という思いがあって」。

社会に貢献する意識

「HWIPのカリキュラムでは、社会に貢献するという意識を持たせてもらった事が、一番良かったことです」。当初は社会の問題にあまり興味はなく、自分が好きな勉強ができたらいい、と思っていたが、HWIPの「イノベーション創出論」で、各界のトップの講義を聞いて、意識が変わったそうだ。講師が共通して「社会にどういう風に貢献するか」を考えていることが、とても印象的だった。HWIPで学ぶ中で、「父がどういう思いで仕事をしているかということも理解できた」という。

将来は、研究の経験を生かした起業を考えている。生物系の研究者で起業した先駆者にインターンとして受け入れてもらえないか交渉したり、起業家の叔父に話を聞いたりして準備している。

アフリカの飢餓対策に貢献したい、という思いも抱いている。

2016年12月インタビュー

いくら時間があっても足りないほど忙しく、刺激的。

 Q プログラムに応募した動機は?

 大学時代の指導教授に進められたことです。カリキュラムの内容を見て、自ら企画して取り組んでいけるところだと感じました。ここなら新しいことを自分で実現できる人になれそうだと思って、応募しました。

 Q 将来の夢・目標は?

 目標は、共生のメカニズムについて解明すること。夢は、新しい機能をもった生物を作りだすことです。

 Q プログラムの印象・感想は?

 プログラムは充実しています。まず、いろいろな専門分野の学生が集まっていることにびっくりしました。しかも、みんなモチベーションが高く、話していても飽きない、刺激的な環境です。その中から「新しい企画を始めよう」という話も、もちあがっています。時間がいくらあっても足りないと思うほど忙しく、体が二つ欲しいぐらいです。

またディスカッション、特に留学生との交流が新鮮です。彼らと話しているうちに、思いも寄らないアイデアが湧いてくることもあって楽しいので、ついつい話し込んでしまいます。悩みは研究以外の人との交流が多すぎて、なかなか本来の研究が進まないことですね。

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