中村 達哉

第一期生

中村 達哉

情報科学研究科 マルチメディア工学専攻

インタビュー

画面の中に、ドラえもんのような存在を作りたい

小学校4年生の頃、自分のホームページを作り始めた。掲示板やチャット、メッセンジャーも当時から使いこなし、全国の人たちと情報交換をしていたという。「調べたいものは出てくるし、人とコミュニケーションもできる。パソコンすげぇ、という感じでした」。

インターネットや検索エンジンへの興味が高じて、高専から大阪大学の工学部、大学院は情報科学研究科へ進んだ。目指しているのは「人っぽいコンピューター」。例えば検索で自分が欲しいと思っていた情報が出てこなかった時、もどかしさを感じる。もし、コンピューター自身が、秘書のように人をずっと見ていて、タイミングよく欲しい情報を勝手に出してくれたら、とても便利だ。そんな風に、コンピューターを「人のように賢くすること」を目指している。

同時に、コンピューター自身が、信頼できる存在として人間から認知される必要もあると考えている。究極のイメージは「ドラえもん」だという。藤子・F・不二雄が描いた22世紀からやってきたネコ型ロボットは、叱ったり、時には嘘をついたりしてのび太くんを成長させ、人から信頼される存在だ。「どうすれば、そんな風に人が信頼感を寄せられるコンピューターになるのかにも、関心があります」。

人間を理解することで、より賢いコンピューターを作る

人間は、何か情報が入ってきた時、自身のこれまでの経験や、周辺の様々な要素を酌んで、その情報の意味を理解している。コンピューターを人間と同じように賢くしようと思えば、そもそも人は情報をどう解釈しているのか、自分自身のことを知らなければならないという。「賢い情報システムを作るには、人もコンピューターも知らないといけない。HWIPはそういう自分の関心にとてもマッチした環境」という。

融合研究では、グループ によるWeb検索を使ったレストラン探しを題材に、グループ意思決定のダイナミクスついて探っている。人々はどのように検索と議論を進めながら高い満足度の意思決定を行っているのか。どのような行動の特徴を持つメンバーが議論のまとめ役となっているのか。その役割をコンピューターがとってかわることはできるのか。その時、コンピューターの提案を信頼、納得させる条件は何だろうか。さまざまなテーマにつながる面白い研究だという。

エンジニアとしての自分の力を試したい

将来は、研究とHWIPで培った問題把握能力・解決力・技術力を活かして、「モノづくり」の世界で、エンジニアとしての自身の力を試したいと考えている。「自分の力で、役立つものを製品として世の中に出したい。それが本当にいいものなら、結果として売れると思う。自分の力で儲けられることを確かめたい」。

その後、研究者・教育者としてアカデミアに戻ってくることも考えている。研究で培った能力をビジネスに還元し、ビジネスで培った能力を研究に再還元できたら、そんな風に思っている。

2016年12月インタビュー