ヒューマンウェア融合領域研究

前書き

そもそもこの講義は、以下のような教員の思いから始まったものです。「アウトリーチという言葉はよく耳にし、また理系は伝えるのが下手だと聞くが、一度も習ったことがない。システマティックに習っていないので、どういったものなのかの見当もつかない。たった一日でも、ほんのさわりでもいいから、全般的にどういったものなのかを体感させたい」。従って、座学が1日となっています。もちろんアウトリーチの全てをこの1日で習えるはずもありませんが、上記のように講師に依頼しているので広く浅く「アウトリーチを習うとはどういうことか」ということがわかります。その後、実践を通して自分なりの意識を確立してもらえることを期待しています。

目的

情報科学、生命科学、認知・脳科学、ロボティクス領域において、自身の専門領域をマスターするとともに、自分とは異なる専門領域の研究者と融合研究を行うための基礎的能力、および、自身の考えや研究成果を題材に研究者や他のさまざまな人々とコミュニケーション、相互作用する能力を涵養する。

概要

在籍研究科での研究に加えて、ヒューマンウェア融合領域研究に必要な主体性と実践力を涵養するための講義および演習を行う。自身の研究テーマについて、非専門家や非研究者を対象としたアウトリーチ活動に取り組む。また、アウトリーチ活動の場の設計自体の講義・実習も行う。アウトリーチ活動に関する講義、および、演習の詳細については、別途、通知する。

講義内容

1. 在籍研究科での研究、および研究科をまたいでの融合研究

ヒューマンウェアが求める博士人材は、高い専門力を有したうえで融合研究を可能とする能力を持つ。 よって在籍研究科における研究により専門力を養う。また同時に、1年生のHW基礎論などで培った融合研究の種などをもとに、各自が自由に研究科を超えた融合研究に取り組み、 3年生のHW融合領域プロジェクト研究につなげる。

2. アウトリーチ

○概要
科学コミュニケーションの歴史から現在に使用される具体的手法までの知識を網羅する座学を受け、さらに「人に伝える」ことのワークを含む講義を受ける。その後、企業、教員、ヒューマンウェア履修生、学部生などを対象とした、ヒューマンウェア全学年参加型のアウトリーチ活動を企画、実施する。これにより、融合研究の立案や方向性の設定など具体化が促進されることを期待する。
○目的
融合研究では、考えや目標を共有できる複数の研究者がチームを組み、さまざまな観点で議論しながら研究を進展させる。そのためには、人的ネットワークを形成し信頼を得たり、自らのアイデアや技術をわかりやすく伝えたりする能力が必要である。また、融合研究に限らず、研究者は非専門家や非研究者などともコミュニケーションし、研究立案に適切に反映させる能力が求められる。本講義では、これらの能力を養うため、座学と実践を通してアウトリーチの方法を主体的に学ぶ。これには、アウトリーチの場を設ける方法も含まれる。なお、ここで学ぶ伝え方の基礎は、専門の研究発表などにも大いに有用である。
時期
8月中に1日:座学とワークによりアウトリーチを学ぶ   ※2024年度は8月23日予定(詳細未定、追って通知)
9月-12月:アウトリーチ実践(具体的な企画内容は学生次第。開催形態(オフラインかオンラインか)は状況などを考慮して決定する。)。 ※2024年度は12月6日で調整中(詳細未定、追って通知)
○内容
JST日本科学未来館などから講師を招き、科学コミュニケーションの知識を網羅するため、その歴史から現在に使用される具体的手法までの座学を受ける。同日に、「人に伝える」ことのワークを含む講義を受ける。これは、人に伝えるベストな方法は、共通の部分と十人十色の部分に分かれるため、共通の部分を知り、それを使ってワークすることで、自分自身に合った形を探していくことを目的としている。さらに、実際にアウトリーチ活動を行うことにより実践力をつける。このアウトリーチ実施を、融合研究の立案や方向性の設定など具体的な成果につなげるため、聴衆対象として、企業、教員、ヒューマンウェア履修生を想定する。一方で、ヒューマンウェアの広報として、来年度にHWに入る可能性のある学部4年生や、来年度に大学院入試を受ける可能性のある全国の学部3年生なども受け入れる。

以下、2023年度内容 

※以下は2023年度の内容です、2024年度版には追って更新します

1.座学: 2023年8月17日(木) 13:30~18:20  

以下のようなことを学ぶ

    • 科学、科学者とは何か。科学コミュニケーションとは何か、その歴史。
    • 人に伝える技術
    • 人に伝える手段、様々な会の方式
    • アウトリーチに向けてグループワークを行う。

【講師】

澤田莉沙様  (国立研究開発法人物質・材料研究機構 / HWIP 1期生)

【進行内容】

      1. 他者に研究を伝える科学コミュニケーション
        科学コミュニケーションの成り立ち、人に伝える際の技術等
      2. 場を企画する考え方
        シンポジウムの意義や開催に向けた手順など、等
      3. ワークショップ

2.アウトリーチ実践  : 2023年12月1日

座学で学んだことを元に、以下のようなアウトリーチの会を履修生が主体となって企画・開催する。
【目的】融合研究の立案や方向性の設定など具体化を促進する。
【対象(聴衆)】全学年のヒューマンウェア履修生、企業の方、教員を想定する。また、ヒューマンウェアの広報として、来年度にHWに入る可能性のある学部4年生や、来年度に大学院入試を受ける可能性のある全国の学部3年生なども受け入れる。(広報をしないと誰もきませんので注意)
【内容】研究紹介、その他目的に沿うもの
【場所】学内(学生次第)
【日程】諸条件を考慮して決定(学生次第)
【手順など】

    • 代表や副代表などを選び、幹事とする。
    • 受講生全員で企画を議論し、幹事が取りまとめる。
    • 他学年のヒューマンウェア履修生にもプレゼンテーションを依頼する。具体的な方式、内容は受講生で検討する。
    • 当日は全員が出席し、全員に何らかの仕事があること。
    • 宣伝の形は自由とする。
      (合格者宛に手紙や、学内放送、学内メールなど、必要であれば事務局・教員も協力)
    • 予算が必要な場合は一か月程度前に事務局・担当教員に伝えること。
    • 良く分からないことは質問すること。

 

 事後資料

企画などの学生資料
→ 2016年度(3期生): 学内
→ 2017年度(4期生): 学内LaboCafeOacis (PW:ToKui602t)
→ 2018年度(5期生): 講義・ Expocity(HW)Expocity(En@OU)・・
→ 2020年度(8期生): オンラインシンポジウム
レポートまとめ
→ 2016年度(3期生)
→ 2017年度(4期生)
→ 2020年度(7期生)