第八期生

五十里 翔吾いかり しょうご

基礎工学研究科 システム創成専攻

大阪大学基礎工学部

日常の中の非日常としてのHRI

Q プログラムに応募した動機やプログラムの魅力は?

自らのアイデアに基づいて研究を立ち上げられることが「ヒューマンウェア」の魅力だと思います。そして、同じ志を持った学生たちと切磋琢磨できる環境が整っていると実感しています。いい環境と仲間がいるので、ちゃんと努力して面白いことをしたい!

Q 自身の専門または得意分野は何で、プログラムでそれをどのように発展したい?

私の専門はHRI(ヒューマンロボットインタラクション)です。ロボットを作ることで人間の根源的な問いに答えようとする、というのがこの分野の特徴だと思います。学部生の時には、よい対話とは何かということを考えるために、ロボットが仲介して複数人での議論の発展を支援するシステムを開発していました。現在は人間にとって生物とはどのようなものなのかという問いに答えるため、「人が一緒に居たくなる生物」のミニマムなデザインを探すためにロボットを開発しています。
根源的な問いは、複数の問いが複雑に絡み合った形をしています(e.g.「人間とはとは何か」と「社会とは何か」という問いを別々に考えることはできない)。それらの関係を、自然言語のみではなく実験や観察、さらに実際にたくさんの人に使ってもらうというエンジニアリングの方法を組み合わせることで、解きほぐしていきたいと考えています。この営みに、生命科学および情報科学の知見が不可欠であることは明らかであると思います。「ヒューマンウェア」を通して自分では思いつかないような見地からの洞察が得られることを期待しています。

Q 将来の夢・目標は?

「こちらの日常の世界はあちらの世界の世界によって裏打ちされている」(河合隼雄)
ここでいうこちらの日常の世界とは私たちが生きている世界です。一方あちらの世界とは、私たちのルールが通用しないファンタジーの世界です。「こちら」だけではなく「あちら」の世界の存在を感じて生きることで、日常生活が豊かになるのではないでしょうか。ロボットは、「あちらの世界」を人々に感じさせる存在として有望だと考えています。自分たちの日常の背後で進行する非日常を感じさせるような、持続的なヒューマンロボットインタラクションを設計することはできないでしょうか。将来の目標は、これを実現することです。

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