Lectures2019.07.27ヒューマンウェア セミナー合宿2019 ~修了生も大勢参加~

第7期生を迎え、ヒューマンウェアの運営体制も新しくなって落ち着いた7月、3連休の7月13~15日(2泊3日)にてセミナー合宿を行いました。これは1年次の必須科目である「ヒューマンウェアセミナー」の一部でもあります。

合宿のメインの目的は、ヒューマンウェアの新入生から上級生や教員、そして修了生までが繋がること、さらにその多種多様な分野と哲学を持つ人達との議論により斎同熟議を行うことができる能力をはじめとして、グローバルリーダーとして必要な様々な能力の基礎を獲得すること、そして履修生が修了後、さらにはその数十年後といったビジョンを構築するための基盤を得ること、などです。さらに、個々の学生は、それぞれが予め各人の目的を掲げて挑みます。

今年は新入生と同じぐらいの人数のヒューマンウェア上級生に加え、なんとこれまた同じぐらいの人数の修了生も参加しました。皆すでに大企業、ベンチャー、大学など、様々なところで活躍している博士ですので、ボランティアでこれだけ集まってくれるのはとてもありがたいことです。また教員も過去最高の人数が参加し、さらに修了生プレゼンツで世界最高峰の研究所であるMITからもゲストを呼びました。具体的な内容は、議論をメインとしたグループワークや実践コンペ、ポスターセッションやパネルセッションなどを、朝から晩まで嫌というほど詰め込めるだけ詰め込んで、深い交流とその後の行動のきっかけになるようなものにしました。この内容に関しては、例年は4月開催だったため、融合研究に関連する深い議論(斎同熟議)を基盤として、目標とする人材に必要なものを教員と上級生との議論により決定していました。しかし今年は7月開催としたため、新入生の意見もその内容の決定に関わり、今年も有意義で素晴らしいものになりました。

この合宿では毎日、朝から晩までみっちりと頭を使って議論を行いました。正に斉同熟議であり、今年も終わった後にはみんなヘトヘトです。また前回に引き続き、英語しか使ってはいけない時間がインターバルで半分あるため、さらに大変だったでしょう。それでもやはり、今年度の新入生も、先輩の学年とは違ったカラーを持ち、とても個性的かつ元気があって志が高い面々が集まりました。相変わらず人材に恵まれたプログラムです。この新入生同士の深い議論はもちろんのこと、さらに先輩や教員との深い議論もみっちりと行われ、とても充実して楽しい合宿となりました。今年度も楽しんでいきましょう!

最後に、本セミナーの趣旨に賛同し、ボランティアでご協力いただきましたヒューマンウェア修了生の皆様、およびやはりボランティアで招待講演や斎同熟議への参加により合宿をさらに素晴らしいものにしてくださったMIT media labのPranam Chatterjee様に、心より感謝を申し上げます。ご協力ありがとうございました!!!

2019年度合宿の様子(盛りだくさんですが、ほんの一部を切り取りました)

ウェルカム新入生! さっそく議論&特訓。そして哲学を語りましょう!

  

  

上級生や修了生、ゲストが参入。物凄い熱気です!!!

  

ゲストトーク by Pranam Chatterjee 様 From MIT media lab! 修了生から紹介です!

  

ドンドン議論して、創造して、発表して、議論して、評価して、また創造して!!!

  

  

ソフトとハードをいじってアイデアをつめて対戦ゲームを作成。各チームのゲームで対戦!

  

お疲れ様でした!!!

新入生の声

佐藤 優志(基礎工学研究科)
3日間めっちゃ楽しめました。特に自分語りタイムは、自分が発表するのも他人の発表を聞くのもどちらもめちゃくちゃ楽しかったです。この時間を通して同級生のまだ知らない一面を知れました。また、先生方や先輩方と様々な話題について深く議論することができ、考え方や今後の生き方の参考になりました。最後に、今回の合宿を通して自分の英語力のなさを痛感したので、今後は英語力の向上に励み、来年の合宿でリベンジします(笑)

村上 隼斗(生命機能研究科)
脳に汗をかく3日間だった。リーダーシップ、ファシリテーター、ブレインストーミングの理論を自分なりに解釈し、グループディスカッションで実践することができたので、これらのスキルが確かに身に付いたという感覚を得られた。

ZHU RUIYUN(情報科学研究科)
今回の合宿はとても楽しいです。同級生たちと仲良くしたり、先輩たちから助言をもらったり、そごく充実の三日間過ごしました。普段あまりしゃべらない英語を強引に使わせられた。案外おもしろかったです。みんなの人生の哲学というセッションでみんなは人生に対してどうんな態度か、自分の未来ビジョンにどう考えているのかおもしろい話をきいてもらいました。また上級生と一緒にHackthonでゲームを作った。ハードウェアには苦手だけど、先輩たちと協力していいゲームを作り上げた。貴重な思い出になると思います。

稲垣 理也(基礎工学研究科)
合宿の一番の学びは、自分のアウトプット能力の低さに気づいたことです。特にディスカッションでは、自分の考えをうまく伝えられなかったり、そもそも自分の考えが浅かったりと多くの課題に直面しました。また、同期や先輩の物事に対する考えの深さやそれを発信する能力の高さには驚かされました。今後もこのような人たちに囲まれた環境で様々なことを吸収し、自分の成長につなげていきたいと強く感じた3日間でした。

矢島 正和(情報科学研究科)
周りの人の発表の仕方や考え方が何歩も先を行っていて、自分の力不足を認識した三日間だった。しかし、周りの良い所をどんどん参考にして挑戦することで、自分を高められた三日間でもあった。合宿に行く前は、自分が表現したいことを端的にまとめ、且つ相手に興味を持ってもらえるように発表することが苦手だった。しかし、1分間スピーチを何十セットと繰り返したおかげで、少し自信が持てるようになった。先輩方とお話ししたり、考えたこともないテーマで議論したり、非常に楽しい合宿だった。

影山 雄太(基礎工学研究科)
今回の合宿で行われたプログラムはどれも本当に素晴らしいものでした.そのほとんどがグループワークであったが,どれも,各個人が自身の役目を自覚し,遂行するだけではなく,仲間と協力しなければ成り立たないプログラムでした.そのため,合宿を乗り越えたことで,個の力と集団の力が身についたと思います.

代表レポート 谷口 大(基礎工学研究科)

7月13日から15日の3日間、ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムの合宿に参加し自分の中で大きな人生のターニングポイントになったため、忘れないように文章として残しておこうと思います。長いです。

ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムとは、博士課程教育リーディングプログラムの1つで本科とは別に生命、情報、認知が専門分野の人達が集まり融合研究を行うプログラムです。自分は大学院に入学すると同時に本プログラムに7期生として参加しています。そのプログラムの1つのイベントとして、今回参加した合宿がありました。プログラムの内容はリーダーシップやイノベーションについての講義、ポスター発表、ディスカッション、クイズ大会など、とても濃密なものでした。その中でも自分は、各学生の人生哲学を4分間で語ることと、夜の懇親会で先生、OBOGの方と話すことができたことがとても貴重だったと思っています。

各学生の哲学では、それまであまりよく分かっていなかった同期のキャラが面白い程ハッキリし、各学生1人1人が異なる芯をもって生きており、どれも興味深かったです。実際これを機に同期との距離が縮まった気がしており、今後同期と一緒に研究していく未来に本当にワクワクしています。これは自分が振られたらいつでも話せるように、話す内容をブラッシュアップしておきたいと思いました。正直今回はグダグダな部分もあったので。

ただ、今回一番貴重だったのはヒューマンウェアのOBOGの方と話すことができたことです。本合宿には10名以上のOBOGの方が来てくださいました。その方達と自分はキャリアについての相談を中心に行いました。話していく中で思ったことなのですが、どの先輩も十人十色なキャリアを歩んでおり、王道と言えるものはありませんでした。中には、博士を取って水族館のお姉さんをやっている人もいたり、超有名IT企業を蹴って日系大企業に就職している人もいました。はじめはそのようなキャリアに疑問を持ちましたが、話していくとそれぞれが自分の強い意志を持って進路を選んでおり、どれも本当に魅力的でした。それにより「博士を取るのだから研究開発職に就かないと損」という様な自分のバイアスが完全に崩壊し、自分が今までに持っていた「自分に合ったキャリアを見つける」という考えが「自分だけの面白いキャリアを歩む」という考えに変化しました。また、ベンチャー企業に就職したOBの方から将来安定するためのキャリアについての話が印象に残っています。その方は、「大企業だからといって安定しているということはない。自分で実力をつけてどこでも働けることが真の安定になる。大企業に入ると研修が長く、その間は実力が付きにくい。ベンチャーなら入社後すぐに仕事が振られ、否応なしに実力が付く。」という趣旨の話をして頂きました。話し方がとても格好良く、純粋に納得しました。自分が大切だと思う力を見極めてしっかりと磨いていこうと思ったのと同時に、「格好良く話して人に影響を与えることができる存在になりたい」と思っています。

OBOGの方とは自分の研究についても話したのですが、自分の研究についての考えも変化しました。変化したことは2つで、「研究室ベースではなく自分ベースで研究室を利用する」という考えを持つことと、「自分の研究は面白い」と確信したことです。

今回、自分の研究内容が比較的分かりやすいというものあり沢山の人に興味を持って頂くことができました。自分の研究は周りと比べ、研究と言っていいか分からないようなテーマで研究を行っており、実際に「これ研究になるの?」と言われることもあり不安がありました。ですが今回、沢山の人から様々な助言を貰うことができ、特に研究室が同じであったけれども自分が研究室に入った時には既に卒業していた大先輩からは涙が出る程濃密なアドバイスを頂くことができました。中には「論文化したら教えて!」と言って頂ける先輩方もいて、研究のモチベーションが大きく向上して嬉しすぎて泣きそうにもなりました。また、研究室が主体ではなく自分が主体で研究を考えるべきだという指摘も頂きました。特に自分は、自分の研究テーマは研究室から与えられたもので大きなプロジェクトであるため、プロジェクトに貢献しないといけないという考えを少なからず持っていたのですが、「そんなことは全く気にせず自分のやりたいことをすれば良い。学生だからそんな義務は無いし、なによりその考えでは面白いものはできない。」という趣旨の話をして頂き、納得すると共に自分のやりたいことの為に研究室を利用するという考えが強くなりました。今後は、完全に自分の為に自分の研究を行っていきます。

また、自分は博士課程に進むかどうか決める上で考えすぎだということも分かりました。まだ全然知らないことばかりなのに少ない情報で迷っても仕方が無くて、そんなときはもう勢いで決めるしかないという趣旨の話を頂き、実際に博士に進んだ先輩方も勢いで進んでいた人も多かったように感じました。それで現在とても楽しそうだったので、やはり無駄に考えすぎるのは良くなくて、勢いで舵を切ることは大事だと感じました。これは合宿中のリーダーシップの講義で、リーダーとはどちらが上手くいくか分から無い時に舵を切れる存在という話にも結び付きました。

長くなりましたがまとめとして、本合宿で自分は多くの人から影響を受け、博士課程に進学することを決心しました。
理由は、
・純粋に自分の研究を進めたい。
・自分だけの面白いキャリアを歩みたい。歩む上で自分の場合は博士課程が必要。
・OBOGのように周りの人間に大きな影響を与える人間になりたい。
の3つです。先生にはよく、免許として博士があると全然違うよと言われるのですがこれはまだピンと来てないです。ですがそれを抜きにしても博士課程に進学したいと思っています。

今回の合宿で、博士を取ったOBOGと話して自分も他人に影響を与える人間になりたいと心の底から思えたのが一番大きな変化です。OBOGが存在する7期生としてヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムに所属することができたことが本当に幸運でした。まずは本合宿で得たものを忘れないようにし、自分を通じて周りの人間にも伝えていきたいと思っています。とりあえず親族に博士課程進学を認めてもらうために、なぜ博士に行くのかについてのプレゼンでもしてみようと思います。

 

 

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