人とロボットが親友になる未来へ
Q プログラムに応募した動機やプログラムの魅力は?
「人とロボットが友達になる」という私の研究テーマは,工学的な知識だけでは決してゴールにたどり着けないと考えているからです.ロボットにどのような機能があれば人はそれを「友達」と感じるのでしょうか.そこには,心理学における愛着形成の理論,社会学における友人関係のダイナミクス,そして脳科学における共感のメカニズムなど極めて多様な学問領域からのアプローチが不可欠です.本プログラムに集う様々な分野の学生たちと深く議論を交わし,多角的な視点を得ることこそがこの壮大なテーマを探求する上で最も重要だと考え応募いたしました.
Q 自身の専門または得意分野は何で、プログラムでそれをどのように発展したい?
私の専門は,人間そっくりのロボットであるアンドロイドと人が心を通わせるための研究です.これは人が他者と親しくなるプロセスを参考にした心理学の知見に立脚したアプローチです. 具体的には,アンドロイドが人間との対話を通じて「記憶」を蓄積し,そこから「好き嫌い」や「価値観」といったそのロボットならではの「人格」を形成していく仕組みを開発しています.人間が友人との共通の思い出や相手のユニークな考え方に惹かれるように,アンドロ-イドにも独自の個性が宿ることで人はより深く長期的な関係を築けると私は考えています. しかし,「心地よい個性」とは何かという問いは非常に繊細で工学だけでは答えが出せません.本プログラムで人間そのものへの理解を深めることで,技術と心理学を真に融合させ誰もが安心して心を開けるパートナーアンドロイドへと研究を発展させていきたいです.
Q 将来の夢・目標は?
私の名前にある「龍」は,時に人々の想像を超え天へと昇っていく伝説の生き物です.私は研究者としてこの「龍」のように,既存の常識や専門分野の壁を軽々と乗り越え「人とロボットが親友になる」というまだ誰も見たことのない未来へ挑戦したいと考えています.それはまさに,『ドラえもん』や『鉄腕アトム』が描いたようなロボットが家族や親友としてすぐ傍にいる世界です. この夢の実現は決して簡単な道ではないかもしれません.しかし,天に昇る龍が人々を見守るように私が生み出す技術が社会にいる人々の生活に寄り添い心と心とを繋ぐ架け橋となる.その実現が私の人生を懸けた夢です.

