第三期生

德田 加奈子とくだ かなこ

生命機能研究科 専攻

出身

インタビュー

物心ついた頃から生き物が大好き

犬、猫、魚、ウーパールーパー、サンショウウオ、イモリ。幼少時から自宅で生き物をたくさん飼っていた。家族みんなが生き物好きで、地元の動物園や水族館にもよく連れて行ってもらったという。動物園の飼育員体験教室にも通い続けた。小学生の頃から、生き物に関わる仕事に就きたいと思っていた。

高校生の頃からサイエンスの領域にも目を向けるようになり、大学は農学部を選んだ。進化学、系統分類学を専攻し、卒業研究では、魚類の骨格系の系統解析を行った。標本をつくって、顕微鏡で観察し、スケッチをして比較する。

一方、現在の大学院での専門は分子生物学。マウスを使って、骨の新陳代謝にかかわる細胞で働くタンパク質の役割を調べている。「学部時代の研究とは骨つながりです。形態レベルと分子レベル、両方できるのはうれしい」。

「おもろい研究」に惹かれ生命機能研究科へ

学部卒業後、いったんは就職して社会人生活を送ったものの、一年のカナダ留学を経て大学院生命機能研究科に入学した。留学先のトロントは、様々な国籍の住民、移民が多く、多様性にあふれ、刺激的で楽しかった。「年齢に関係なく、やりたいことをやる」という姿勢を学んだという。

大学院で大阪大学の生命機能研究科を選んだのは、日本では比較的少数派の、少し回り道して大学院に戻ってくる「変わり者の私」でも受け入れてくれそうだったから。「おもろい研究」をモットーとする、型にはまらない大学院の雰囲気に惹かれた。「いろんな人がいそうだ、いろんなバックグラウンドの人がいる方が絶対おもしろい」と思ったという。

やりたいことは全部やってみないと気が済まない性格。とりあえずやりたいと思ったら飛び込んでみる。やりたいことをあきらめることはあまりないという。しかし、情報や工学の学生たちとも一緒に学べるのはおもしろそう、と思って飛び込んだHWIPは、実際に入ってみたら大変だった。「もともと分子生物学が専門ではなかったので、自分の研究室での研究に必要な知識や技術を勉強するのも大変なのに、情報や工学の話はさらにちんぷんかんぷん。どうしよう、大変な所に来てしまったと思いました」と、大学院入学当時のことを振り返る。HWIPの授業では、最初は何を質問したらいいのかすらわからなかった。しかし根気よく勉強を続けるうちに、少しずつ質問ができるようになり、異分野の人に自分の専門を分かりやすく伝えようとする仲間たちのおかげもあって、だんだんと別の分野のことも見えるようになった。最初は「泣きそうだった」というが、「今はもうHWIPがほんとうにおもしろい」。

好きな言葉は、アインシュタインの「Life is like riding a bicycle. To keep your balance you must keep moving 」。「時には疲れて休んでしまうこともありますが、一度きりの人生、常に走り続けたいなと思います」。

研究、そしてコミュニケーションの面白さ

学部卒業後、社会人として最初に勤めたのは、科学館でのガイドだった。その仕事を通じて、人とコミュニケーションをとることが好きになった。

HWIPのアウトリーチ活動で、一般の市民と科学の話をしたり、自分の研究の分野について案内したりしたことが楽しかった。「そういえば私、そういうことが好きだったなと、その時に改めて思い出しました」。

将来は、科学に携わる仕事をしたい。研究者だけではなく、研究のバックグラウンドを持った専門的な広報や、科学コミュニケーターなどの職に就くことも考えている。

2017年7月インタビュー

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