第二期生

楊 剣ヨウ ケン

情報科学研究科 情報数理学専攻

大連理工大学出身

インタビュー

To improve is to change; to be perfect is to change often

中国・大連理工大学の出身。子どもの頃は宇宙に興味があったという。高校の社会科教師である母親の影響で、社会学や歴史分野の本もよく読んだ。

モットーは、英国の政治家ウィンストン・チャーチルの「To improve is to change; to be perfect is to change often」。小学校の頃に教えてもらった。中国では受験の競争が熾烈だ。学生たちはみな中学校時代から、朝7時から夜10時までは学校で、そして帰宅してからも12時ぐらいまで勉強していたという。「学生たちはみんな、自分をimprove するために日々努力し、競争を楽しんでいました。自分自身をもっと改善、changeしたくて、このセンテンスに惹かれました」。

当時、中国では新興インターネット企業が増えて注目を集めていたいたことから、大学進学時にはコンピューターサイエンスを選んだ。

大学院では人工知能を研究

大学院で現在研究しているのは、ディープラーニングの分野だ。ニューラルネットワークを使って映像情報の分析を手がける。例えば、競走馬の走っている動画を分解した300枚の画像を入力すれば、それに続く10枚を予測できるようにする。「画像の中に含まれる情報を取り出して、人工知能でそれを分析し、そこに発生していることを人工知能に発見させて、展開を予測させることを目指しています」。

日本のアニメが好きだったことも、研究に関係しているかもしれないという。『SLAM DUNK』(井上雄彦)、『ドラゴンボール』(鳥山明)などのアニメは中国でも人気があった。作者の画風を人工知能に学ばせると、その後のストーリーを書いてくれるようなことが期待できるかもしれない。日本のアニメは世界で人気だが、人手不足が深刻になりつつある。「作画における人の手間を減らすのに、自分の研究が役立つかも知れません」。

東アジア発のコンピューターサイエンスを

両親は米国への留学を望んでいたが、欧米よりも、同じ東アジアに属する日本の社会や文化に関心を持ち、大学院は日本を選んだそうだ。さらに、情報科学だけでなく、生物学系の知識に触れられることに魅力を感じ、HWIPを選んだ。「日本は医学や生物分野の研究が優れているというイメージを持っていたので、生命機能研究科など異分野のことも学べて、違う専門の人とも交流できるのは、とても良い経験になると思いました」。

将来は研究職を目指している。コンピューターサイエンスの分野で、プロトコルやスタンダード作りで先行する欧米に対し、日本や中国、韓国など東アジアからもっと貢献していきたい。この地域が、コンピューターサイエンスの分野で世界をリードしていけるような業績をあげたいという。

2016年12月インタビュー

情報技術がこれからいかに世界を変えられるかに迫りたい。

Q プログラムに応募した動機は?

プログラムの内容を見て、教育カリキュラムやさまざまな企画に強く興味をもちました。生命科学と情報の知識をマネージできるような研究者になりたいと思っていましたので、異分野の研究者との共同研究の取り組み方について学ぶのに本プログラムは最適だと思いました。

Q 将来の夢・目標は?

情報技術がこれからいかに世界を変えられるかに迫りたいです。具体的には、数理モデルを用いて環境の将来を推測する方法を見つけて、中国における環境破壊の現状を変えるような意義がある研究に貢献したいと思っています。

Q プログラムの魅力は?

人と交流するチャンスが多いことがとても魅力的です。異分野の先生の講義を受けると視野が広がりますし、異分野の学生とのディスカッションから新しい研究のアイデアも得られると感じています。

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