多様な知識、ノウハウの融合からまったく新しいものを創造

生物のインテリジェンスと光を組み合わせて、
暮らしや社会を快適にするものづくりを進めたい。

谷田 純 教授

Tanida, Jun

情報フォトニクス講座

谷田教授は学生時代に、自然光を使った論理演算に興味をもった。
しかしその後、光が1マイクロメートル程度しか識別できないことに物足りなさを感じ、DNAを利用して、分子レベルで情報処理をする計算機を作ろうと思うようになる。

応用物理の研究者が生物学を採り入れた

私はもともと応用物理の専門家。光に関するハードウェアの研究者です。それがDNAコンピュータの研究に進み、さらに再び光の研究が登場して、「光で生起するフォトニックDNAコンピュータの研究」にたどりつきました。 ご存知のようにDNAは、AとT 、CとGがペアになりこの組み合わせで二重らせん構造ができています。いろいろな合成DNAを用意してやると、うまくペアになるものがあればくっつく。これを情報処理に使おうというのが、DNAコンピュータのアイデアです。さらに、あるところに光を当て、ある処理だけを優先的にさせる仕組みを組み入れています。

生物の活動をものづくりの出発点に

私の研究は、生物の活動にヒントあり。それをさまざまな技術と融合させて、新たなものづくりに挑んでいます。 DNAコンピュータのメリットは、生体との親和性が大きいこと。しかも小さくて、省資源。インテリジェントな医療機器として体内で使えるかもしれません。このほか、昆虫の複眼をもとに、小型でも広角で高精細、立体的な画像が撮れるTOMBOという撮像システムを作りました。これはかなり実用化に近づいています。

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光ピンセットでDNAカプセルを捉え、詳細に観察することができる「フォトニックDNA実験装置」の前で。

知識・ノウハウを「まぜこぜ」にするおもしろさ

photo_tanida02このプロジェクトでは、私は教務担当。奨励金など、学生生活のサポートに関わっています。私自身、コンピュータも生物学もいわばアウェイの立場。学生さんと同じような目線で伝えられることがあると思っています。また、自分の専門外の知識や技術に触れ、物事の別の面を捉えることの大切さやおもしろさも伝えたいですね。一つの研究に打ち込む人々は、考え方や価値観が似た人の集まり。また、やっている間にさらに似てくるものです。生物やコンピュータ、ロボット、認知科学などの研究者が集まれば、互いが持ち寄った知識、ノウハウがまぜこぜになっておもしろいものが生み出せるのではと楽しみです。

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