目的
情報科学、生命科学、認知・脳科学、ロボティクス領域において、自身の専門領域の基礎を固めるとともに、融合によるイノベーションに必要である、自身とは異なる領域の研究者との融合研究に必要な実践力や社会にインパクトを与えるために必要な産業界の視点を涵養する。
1. 在籍研究科での研究
ヒューマンウェアが求める博士人材は、高い専門力を有したうえで融合研究を可能とする能力を持つ。在籍研究科における研究により専門力を養う。また同時に、1年生のHW基礎論などで培う融合研究の能力や、融合研究の種などをもとに、研究科を超えた融合研究の発案を自主的に試みることも可能である。
2. イノベーション入門
○概要
専門分野の異なる複数の学生がチームを組み、産業界の一線で活躍されている方々との面談の中から産業界の視点を学ぶとともに、これにより得た知見と、異分野間での徹底した議論に基づいて新しい価値の創造に実際に挑戦することで、一通りの基礎を学ぶ。
○目的
本プログラムでは、異分野間の融合によるイノベーションを目指している。このイノベーションの創出には産業界の視点が必要不可欠である。本取り組みでは、異なる分野で研究する履修生間の斎同熟議に、さらに産業界の視点を加えることが目的である。これにより、斎同熟議における視点が社会まで広がり、より社会的インパクトの高い議論展開を可能とする能力を養うとともに、一度視点を広げることで、自身の専門分野に対しても異なる角度からの思考を可能とする能力を得る。以上で得られたものをもって、1年生後期のイノベーション創出論を迎える。
○達成目標
たとえば本講義の実践経験を経た上で、次のようなことを思える状態になる:「○○で世の中の日常常識を一新しよう」、「○○のために、もっと××について勉強しよう」、「○○のために、××のような能力をつけよう」、「○○のために、××のような人を探してチームをつくろう」、「これから毎日○○を意識して××しよう」
○内容
産学講義(座学1)において産業界の視点の基礎を学ぶと同時に、社会のマナーなどの基礎も学ぶ。2~3 名からなるグループをつくり、それぞれのグループが訪問する企業を決定する。その後、履修生が自ら日程を調整し、斎同熟議のもとに考えた目的をもって企業訪問に挑む(次の発表を意識する事)。この後、企業訪問で学んだことをいかし、グループ内斎同熟議を通して新しい価値を創造し、「自分たちが、投資をうける、またはプロジェクトを任せてもらう」ことを想定して、「自分たちが起こすイノベーション」のアイデアをプレゼンする(@座学2)。つまり、授業終了後でも本当に挑戦していきたいようなアイデアが望ましい。この実践を行う中に企業訪問があるので、目的をもってインタビューをすること(ただし、もちろんついでにそれ以外に興味のあることを聞いても良い)。プレゼンでは、単にアイデアを紹介するだけでなく、グループ間議論により、広い視点を共有する。
○時期
2024年度予定
① 座学1(2024年7月12日(金) 13:30-16:40, @IST-C401)
・講義講師 :
家島明彦 (大阪大学 キャリアセンター 准教授副センター長)
濱田格雄 (大阪大学 共創機構人材育成部門 特任講師)
松尾誠二 (株式会社イノベーターズ・キャリア・サポート 取締役COO)
→以降、各チームの講義全体に対する目的、インタビューからアイデア発表までの計画、その間でのインタビュー質問事項や企業で得た情報などを、リアルタイムに変更しながらチームをまたいで共有。ただしこの時点でプレゼンアイデアを共有する必要はない。他チームの質問には必ず答えること。
② 企業訪問(8月~9月,都合がつかなかった場合は10月中旬まで)
- (訪問企業決定の通知 (7月中旬))
- インタビューのためのアポ取りのメール(7月中)
- グループによる企業訪問、斎同熟議、レポート作成【レポート提出期限:11/XX (X)17時 】
③ 座学2(2024年10/25(金), 13:30-16:40 @IST-C401 )
・アイデアの口頭プレゼン(スライドは英語にすること)
→各グループ、発表10分程度、質疑5分、講師コメント5分
・グループ間での議論と総まとめ
【事後提出物 提出期限:11/XX(X)17時】
○概念図
<<<詳細内容>>>
チーム
- アンケート等に基づき指定
訪問先企業
予定 : 東芝, NTT, 日立, オムロン, 堀場, NICT, 日産自動車
- 訪問先企業:各チームに,アンケート等に基づき指定
※企業を訪問するにあたり交通費が発生する場合は、プログラムから旅費を支給します。国内出張申請(執行予算として「その他(HW経費)」選択)を、個人単位で提出してください。(国内出張申請のルールに従って、同行するグループ単位ではなく、各々から個別にHW事務局に申請してください)
座学1
- 産業界について理解する
会社の目的、組織図・役職図など。 - 取材企業を選ぶ基準、取材対象者を選ぶ基準
今回は会社選択肢が決められているが、自分で選ぶ際の基準を学ぶ。 - 有効な取材にするポイント
事前準備、スキル、当日の注意事項など。体験(ペアになり相互に行う) - アプローチの仕方
訪問前、訪問時、訪問後など。模擬アプローチ - 企業と接触する際に知っておきたいビジネスマナー
アポイント時、ヒアリング時、終了後のマナー
話し方、メール文章、電話、訪問時、終了後、敬語、服装、など。
企業インタビュー
「自分たちが起こすイノベーション」というアイデアに繋がるように、先方ではイノベーションをどのように考えているか、どのように成功や失敗をしてきたか、自身のイノベーションのアイデアをどう思うかなど、各々で考えてインタビューする。もちろん、より広い意味で、この機会を活かすことは問題ない。
以下に注意して望む(1時間程度)
-
- 過去の事後サーベイなどを読み、先輩の経験に学ぶ
- まずはアポのため連絡
- 各チームが事前議論して挑む
- インタビュー相手(の企業)について最低限の知識を身に着ける。
- 講義目的やチームレポート内容を踏まえて、インタビュー内容を考える。
- 「イノベーションを起こすために産業界の視点を学ぶ」ということを意識
(例えば、イノベーションという観点において、現在の業務内容や将来の視点、など) - インタビュー内容を決定したら、事前にインタビュー相手に通知する。
- 各チームがそれぞれの会社に訪問し、座学1で学んだことを実践。(1時間程度)
- この時、インタビュー相手または社内風景(不可ならば社外の正面玄関)などと一緒に写真をとってくる(旅費証明&広報用。先方相手や会社が移っている場合はWeb掲載の可否なども聞いておく)。
※この講義(最後のプレゼンまで含む)においては、「イノベーションの起こし方を学ぶ」のみではなく、仮に「あわよくば」だとしても、本気で「イノベーションを起こそうとしてみる」ことが重要である。すなわち、How(どうやって起こすか)だけでなく、What(何を起こすか)やWhat for/Why(なぜ起こすか)などが重要なので、その点に注意して、インタビューや議論、プレゼンなどを行う。
※企業を訪問するにあたり交通費が発生する場合は、プログラムから旅費を支給します。国内出張申請(執行予算として「その他(HW経費)」選択)を、個人単位で提出してください。(国内出張申請のルールに従って、同行するグループ単位ではなく、各々から個別にHW事務局に申請してください)
インタビュー後議論
- 異分野学生+インタビューから、新しいイノベーションを考える。何らかの形で、インタビューの成果を反映させること。
- 「企業訪問で学んだこと」を書面にまとめる(チームレポート)。訪問先に内容に問題ないか確認のうえ、提出。→提出先:office-file@humanware.osaka-u.ac.jp、メール件名:イノベーション入門(企業名)/レポート/氏名・・・
- プレゼンに備える。「イノベーションを起こすために産業界の視点を学ぶ」という講義の目的を踏まえながら、「自分たちが起こすイノベーション」を、例えば投資を受けること等を意識して、魅力的なプレゼンを目指す。
【レポート提出期限:11/XX(X)17時】
座学2(最終講義)
- 各チームがアイデアを発表し、議論する。
- 発表は「自分たちが起こすイノベーション」について
-
- 具体的なタイトルは自分たちのモノを付けてください。
- 内容はいつも通り、上記の範囲において自由です(Creativityを発揮して魅力的にしてください。ただし、feasibilityについてもよく考えてください)。
- 発表時間は約10分、質疑5分、産学講師コメント5分
- 発表形式は自由です。PPTをつかってもらってもいいし、具体的な商品みたいな物をもってきてもいいし、寸劇でも、ホワイトボードでも、何も準備せずにプレゼンしてもいいです。
- 発表後、全員でイノベーションを考える。
- 事後サーベイを行い、全員で共有して各自で学ぶ。
事後提出物
- 各班のプレゼンとレポートの評価、および講義を通して考えたこと等をフォームで回答(2024年度フォーム>> )
- プレゼンで使用した発表資料等を各グループの代表がメールで提出。→提出先:office-file@humanware.osaka-u.ac.jp
【事後提出物 提出期限:11/XX(X)17時】
2015年度(3期生)→リンク
2016年度(4期生)→リンク
2017年度(5期生)→リンク
2018年度(6期生)→リンク