エキスポシティでアウトリーチ(学外アウトリーチ2018)~出張実験@EXPOCITY Lab~

20181027 日本最大級の大型複合施設 EXPOCITY(エキスポシティ)

10月27日(土)の11:00~16:30に、吹田市の万博記念公園にある、日本最大級の大型複合施設 EXPOCITY(エキスポシティ)にて、一般の方々を対象に、履修生の研究活動についてのアウトリーチを行いました。

このイベントは2年次のカリキュラムであるアウトリーチ実践の一環として行われました。アウトリーチ実践では、まず7月に座学の集中講義で、JST 日本科学未来館の科学コミュニケーション専門主任(兼、知識流動システム研究所フェロー)である森田由子先生、および東京大学にて科学コミュニケーションを専門とする関谷翔先生(元JST科学コミュニケーションセンター)から、アウトリーチやコミュニケーションのオーバービューを教わります(先生方、いつも履修生の教育にご協力いただき、誠にありがとうございます)。その技法を実践する機会として、このイベントでは学外において学外の方々に、履修生自身が考えたテーマにより、企画・準備・実施を行いました。

本年度開催地であるEXPOCITYは、HWプログラムでも前例がなく、初めての試みでした。もちろん商業施設内でのアウトリーチ自体が、履修生にとっては初めての経験です。前年度までの例も参考にしながらも、ほとんどすべてが新しい試みであり(EXPOCITY Labも、この日が記念すべきOpenの日となりました)、学生は議論を重ねて様々なアイデアを寄せ合い、大胆に実行することで、当日は大盛況でご来場の皆様にも大変ご満足いただけたイベントとなりました。ご関連およびご来場の皆様、誠にありがとうございました。

毎年、同級生による共同作業を学生のみで運営するため、全体統括やサブリーダーなど、役割を決めて運営しています。カリキュラムの一環ですが、詳細な要求はありませんので、日程や内容もすべて学生が決め、実行します。企画段階から、履修生はEXPOCITY(三井不動産)の木村様、佐藤様にご相談いただき、ご来場の方々の層などを教えていただいた上で、履修生の「やりたいこと(お子様やそのご家族に科学への興味を持ってもらいたい)」を目的として、テーマ、内容とスタイルを考えました。さらに、阪大マスコットであるワニ博士を呼んだり、様々な場所にチラシをお願いしたりなど、広報活動でのアイデアや実行力も素晴らしかったです。具体的には、以下の5つを同時進行し、大変素晴らしいモノになりました。

1.ミニ実験教室(地震に耐える建物、自動運転ロボットの実習)
2.展示ブース(光、酵母、筋肉についての実演)
3.科学者なりきりコーナー(白衣を着て実験器具を使ってみる)
4.ワードを集めてみよう(科学のキーワードがなぞなぞとしてExpocity各所に)
5.ワニ博士と写真をとろう

履修生たちは全くどういうモノになるのか予想もつかないまま、当日を迎えましたが(もちろん教員も三井不動産の方々にも初めてでした)、不安をよそにたくさんのお客様にご来場いただき、大盛り上がりとなりました。また、ご来場の皆様の科学技術に関するご関心はとても高く、お子様方もとても積極的にご参加いただき、何度も「次はいつやるの?」というお声を頂くなど、一同とても嬉しく思っておりました。不慣れなことに加えてかなり混んでいたこともあり、多くの方々にお待ちいただいたことに大変申し訳なく思っておりましたが、皆様に温かく受け入れていただきましたことにとてもありがたく、そして嬉しく思っております。

このように、大阪大学の外に対して、大阪大学の期待の学生たちによって、自分たちでデザインして実施し、情報発信をするとともに、その本番を通してアウトリーチを学びました。

この学外アウトリーチは、エキスポシティ(三井不動産株式会社、三井不動産商業マネジメント株式会社)、大阪大学21世紀懐徳堂、大阪大学企画部広報課の多大な協力を得て開催されました。特に三井不動産の皆様には、最初の計画段階にてアイデアを頂くところに始まり、当日の実施はもちろんのこと、最後の撤収まで本当に温かいサポートをいただき、誠にありがとうございました。エキスポシティは単なる商業施設ではない、「『遊ぶ、学ぶ、見つける』 楽しさをひとつに!」をテーマとして教育も融合した総合施設であること、そしてそれにかけるご担当者様たちの熱意を、を改めて実感しました。

 

当日の様子

 

 

 

 

履修生の声

福永 裕樹(総合リーダー)
僕は、EXPOCITYチームの幹事を担いました。私たちのチームは目標として、「小中学生、ひいてはその家族に科学への興味を持ってもらう」ことを掲げました。実際に行ったことは、「ワニ博士を招聘しての写真撮影」、「自身の研究に関するポスターを掲示し、お客さんにはそこから答えを探し出してもらうワード集め」、「実験教室」、「自身の研究に関する展示」です。イベントを企画するのはこれが初めてだったため、計画を立てたものの不備が目立ち、また、上手くチームのメンバーに意図が伝わらなくて苦労したりもしました。僕自身も含め皆、自身の研究で忙しく、対面での会議をほとんど行えませんでした。そのため、メッセージアプリでのやり取りがほとんどで、流し読みでも大事なところが伝わるような指示の出し方を考える必要がありました。イベント当日も計画通りとはいかず、チームメンバーの機転に助けられた部分が多々ありました。その他にも、多くの面でチームメンバーには非常に助けられました。三田君には、計画をまだ突き詰められていない段階にも関わらず、とてもクオリティの高い広告を作ってもらいましたし、イベント会場のデザインも考えてもらいました。八木君が適宜アクセル役をしてくれたため、滞ることなく計画を推し進めることができました。岸田君が作ってくれたワード集め用ポスターのテンプレートのおかげで、ワード集めのコーナーも大成功でした。姜君のロボット教室は非常に好評でしたし、メッセージアプリでのやり取りでもすぐに反応を返してくれたのでとても助かりました。井本君は皆が嫌がったワニ博士役を率先して引き受けてくれました。佐々木君は計画を立てる際に、あいまいにしてしまう点を細かく指摘してくれました。今回のアウトリーチでは特に、計画を立てることの難しさ、それを過不足なく実行することの難しさを学びました。ただ、アンケートの結果、イベントの満足度は5点満点中4.5点だったことや、「またイベントをして欲しい」というコメントをいただいたことを考えると、概ね、イベントの出来としては成功といえると思います。そもそも、僕が本イベントの幹事を引き受けたのは、研究者ではない方々へのアウトリーチ活動が、研究活動の一環としての重要度を増していると感じているからです。近年、科学への、特に基礎研究への投資が減っており、研究者自身が資金を集める必要が出てきました。政府に科学への投資を求めるにしても、自身で資金を集めるにしても、世間の人々の科学への理解が不可欠です。世間では、一般の人、特にこどもの科学離れが問題視されています。しかし、今回のアウトリーチ活動でのお客さんの反応を見ると、みんな科学自体には興味がある様子でした。ただ、理解がしづらく、難しいものとして敬遠しているだけです。本イベントは、いかに分かり易く、科学のおもしろさを伝えればよいのか、考えるきっかけにもなりました。

三田 善志郎
エキスポシティ等様々な場所で一からイベントを企画するという試みは、教員経由でないと実現の難しい貴重な体験となった。どこまでが学生の力で可能であり、どこから教員の力を借りるべきかという判断基準について学べた。

姜 淳熙
学外・学内の両方の幹事をさせてもらったが、どちらからも得たものが多く、やってみてよかったと思う。自分の研究を行いつつ幹事を行うというのは大変だが、本講義を通じて自身の長所・短所について気付かされたことも多く研究を続ける上で決して無駄にはならなかったと思う。次年度以降のHW履修生達にもリスクを恐れず積極的にチャレンジしてもらえればいいなと感じた。