土沢 誉太

第一期生

土沢 誉太

生命機能研究科 生命機能専攻

インタビュー

中学高校の科学部で、研究の喜びを知る

映画「ジェラシックパーク」(1993)が怖くて大嫌いだったという。恐怖を克服するために、恐竜が復活するようなことが実際には起こりえないことを科学的に確かめようとした。小学校4、5年生の頃だ。インターネットや図書館を使って、「遺伝子は残っていないから大丈夫だろう」と自分で納得できる答えを探した。

6年制一貫校の中学高校では科学部に入った。スピーカーやアンプを作って音楽を流したり、畑で野菜を作ったり、さまざまな活動に取り組んだ。印象に残っているのは花火作りだという。火薬の原料の配合や、湿気を避ける工夫などのノウハウを毎年積み重ね、4年目で、ようやくうまくいった。「それがすごく嬉しくて、研究の喜びみたいなものを知ってしまったので、これを続けたいなと思って、研究者を目指すようになりました」。

タンパク質1分子を追う

大学2年で受けた、神経の繋がりと脳の高次の機能についての講義がきっかけで、生物を専攻に選んだ。「ネズミがネコを怖がらなくなるデモンストレーションを見せてもらいました。恐怖感情のような高次の機能に見えるものが、神経の接続を一ついじるだけで変わってしまう。1細胞の機能を調べるだけでも脳のことが分かる、そんな細胞生物学という分野に惹かれました」。

現在は、神経細胞の中で、情報の伝達に必要な物質や、神経の生存や維持に必要な物質を運んでいるトラック役のタンパク質について研究している。タンパク質1分子を顕微鏡で見て、どれだけの力を出しているか測る方法を使っている。「分子がどう動いているのか直接目で見えるのが、イメージングの楽しさ」と話す。

基礎研究のその先に

HWIPのカリキュラムでは、企業インタビューが新鮮だったという。営利企業で話を聞いたのは初めてで、大学とは全く違う志向で研究しているのを目の当たりにした。「使っている技術や機材は同じなのに、最終的に見据えている目的が違い、それにつながるように研究を進めていた。そういう世界もあるんだと視野が広がりました」。

このことをきっかけに、自分の基礎研究がどんなアプリケーションにつながる可能性があるのかを意識するようにもなったという。自身が追っているキネシンというタンパク質は、その異常によって神経症を引き起こすことが知られている。基礎研究の成果によって、「神経症の人が減ると嬉しい」。そんな思いも持っている。

将来は、研究者の道を進みたいと考えている。

2017年1月インタビュー