中西 惇也

第一期生

中西 惇也

基礎工学研究科 システム創成専攻

インタビュー

「もったいない」が行動理念

行動理念は「もったいない」だという。自分の時間や様々なチャンスを、どうせ使うなら最大限使おうと考えている。なぜなら、自身の限られた人生を楽しく彩りたいからだ。さらに、「やらないよりはやった方がいいかな」という「もったいない」行動は、少し脱力した構えで取り組むことを可能にし、そのおかげで物事を冷静に俯瞰的に判断することができ、結果的に成功への近道となるのだと考えている。一方で、決定的な自身の野心を見つけることができていないため、「もったいないからやろう、っていう感じで行動をおこす方が、今の自分には性に合っているかなって」とも言う。

とはいえ、「もったいない」とは別に「ちょっと目立ちたいと思う部分もある」と言う。人と同じなのは嫌い。みんながやらないところを狙いたい。目立ちたいけど争いたくない。「結構欲深いのかも知れません」と照れ笑う。

行動理念から生まれたチャレンジングな研究テーマ

HWIPの融合研究では、ネット上に自分の分身を作って、自分のかわりにコミュニケーションさせるようなシステムを目指して研究している。その研究テーマは自ら企画をした。「研究者として自立するためには、自分でテーマを考えて、自分で全てを回していく力が必要だと思ったので」と、その意気込みを語る。考え方、捉え方が違う異分野のメンバーと、どうやって議論すればお互いの理解をすり合わせながらうまく進められるか、その経験も自身のスキルになる。さらに、「分身を通して、限られた時間という限界を突破し、様々な経験をし、人生を楽しみたい」と「もったいない」という理念と共通する研究の想いを明かしてくれた。確かに、分身がいれば同時にたくさんの会話ができうる。

また、「HWIPで取り組む研究は、学位を取るための研究とは別に、過大なノルマがないため、思ったままの挑戦的なことができるのが面白い」という。

ニッチからマスへ

基礎工学研究科の石黒浩教授の研究室に所属。「人間とは何か」を追い求める研究室の理念に惹かれたそうだ。現在は、京都府にあるATR(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)で、抱きしめながら対話ができる抱き枕型のコミュニケーションメディア(ハグビー)を研究している。

親と子の抱擁からわかるように、抱擁は安心感をもたらす。それを利用して、不安感などでうまくコミュニケーションがとれない状況下で、この抱き枕型のコミュニケーションメディアを使えば安心して会話できるようになる。

インタビューの様子。抱えているのがハグビー

「例えば小学校に入学したばかりの新入生が初めて集団授業を受ける時、これを通して先生の話をきくことで、落ち着いて話が聞けるようになる。そんな研究をしています」。

「抱擁しながら話す、っていう発想が、面白いなと思って」と研究テーマにハグビーを選んだきっかけを話す。「でも、そういった新しい発想の有用性を明らかにし、社会に還元することが研究者の仕事だ」と研究者像を語る。

将来は、ニッチな発想をマスな分野にする研究者を目指したいと考えている。

2016年12月インタビュー


  • 真剣に議論する中西氏
  • 記者会見を模した発表で優秀発表賞を受賞する中西氏
  • どや顔の中西氏
  • ハグビーに埋もれる中西氏