垣塚 太志

第一期生

垣塚 太志

生命機能研究科 生命機能専攻

インタビュー

サッカー漬けから一転、研究に没頭

中学、高校、大学4年生の冬まで、サッカー部に所属していた。中学、高校は京都府でベスト4。大学では副キャプテンを務め、サッカーを通して組織を動かすことを学んだという。「大学では、絶対的なコーチや監督はいなくて、学生が主体的に練習メニューを決めて、ミーティングをして、スタメンを決める。人間関係でいろいろあれば、声をかけたりご飯に行ったり。学生数十人のチームをまとめる仕事をやったっていうのが、自分にとって一番の財産かなと思います」。

研究に没頭しはじめたのは大学院に入ってからだという。現在は、細胞がDNAの情報をどう読み取っているかを研究している。脳や筋肉などを形づくる種類の違う細胞は、自分が持つ膨大なDNAの情報のうち、自分に必要なところだけ読み取っているが、その仕組みの詳細は解明されていない。DNAが折りたたまれている形と、読み取られる情報との関係を明らかにするために、顕微鏡で直接観察する技術を開発しようとしている。

「生物が持っているDNAの情報が僕達をどう形づくっているか。人のレベル、そして自分たちの暮らしている世界にどうつながっているのか、それが感じられるような研究をしたいと考えています」。

積極的に、新しいことにトライする

感銘を受けた言葉の一つに、物理学者アインシュタインの言葉がある。「Insanity: doing the same thing over and over again and expecting different results.(同じことを繰り返しながら違う結果を望むとは、きっと頭がどうかしてるのでしょう)」

「何も変えようとせず同じ日々を送りながら、何か新しい転機がどこかで訪れると期待していても無駄。自分で積極的に違うことにトライしていく必要があると気付かされました」。

HWIPの融合研究では、人が絵画を見て美しいと感じるとき何が起きているのかをテーマにした研究を主宰している。「もともといろんなことに興味があった。細胞のことにも、認知のことにも、情報系のことにも。その中から今は細胞を専門にやっているけども、分子生物学を専攻する自分のような大学院生が、異分野の、美しさの認知にかかわる研究を自分でやってみようかな、と思って、実際にそれができるHWIPの環境はすごいと思っています」。専門研究を通してたたき込まれた研究の組み立て方を自分なりに実行してみる場としても、とても貴重な経験ができているという。「分野は異なっていても、仮説を立て、実験して検証し、結果を考察するサイエンスの組み立て方には共通するものがある。実際に自分でゼロから研究全体をデザインして、チームで進めるということを経験できて、多くのフィードバックを得ることができた」。

サイエンティストとして、自分らしい世界観を持つ人でありたい

サイエンスの最前線に立ち続けると同時に、「研究を通して世の中の人に、世界の違った見方を提供したり、新しい気付きを与えられたりすることができたら嬉しい」、そんな風に思っている。

「サイエンスを追究する自分だからこそ見える世界っていうのがあると思っています。自分らしい世界観を持つ人でありたい。最先端の研究で活躍している人はこんな風に世の中を見ているんだと、その世界観が、他の人を魅了するような人になれたら」。

2017年1月インタビュー