自律分散アルゴリズムの探求

自由に、かつ論理的に考えよう。
そこからイノベーションは生まれる。

増澤 利光 教授

Masuzawa, Toshimitsu

情報科学研究科 アルゴリズム設計理論講座

増澤 利光 教授

増澤教授の研究テーマは、「自律分散アルゴリズム」。ネットワークでつながったコンピュータから構成された分散システム上でコンピュータ同士をどのようにコミュニケーションさせ、どう動かせばよいのかを表す分散アルゴリズムについて研究しています。

自律的に適応できる分散システムをめざして

分散システムでは、「どこかのコンピュータが故障する」「ユーザがまちがった操作を行う」「人の移動に伴い接続関係が変化する」など、予想できないことが起きる可能性があります。このような場合にシステム自身が自律的に適応できる仕組みを作りたいと取り組んでいます。
例えば地震が起きたときなど、無線でつながる端末を現場に持参すれば、自動的にシステムが自ら接続関係を確立する、そのような全体として矛盾なく動く仕組みをめざしています。「全体として矛盾なく」というのは、少し性能が落ちる、しばらくの間はふるまいが落ち着かないなどということを認めたうえで、「いずれはもとのように使えることを保証する」という意味です。

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自然界の知見を取り入れる

融合研究という視点から考えると、近年、「コンピュータの通信ネットワークは、生物界の環境適応の仕組みと通ずるものがある」という考えが普及しつつあります。当研究室でも、生物の個体群と食料の関係をもとに、ファイルやデータの複製の数や配置をコントロールする仕組みを考えたことがあります。自然界の仕組みを生かした研究も一つのアプローチとして考えられると思います。
ただし、生物学の知見を研究に取り入れる際にも、理論研究の面からの取り組みが欠かせません。すなわち厳密な数学的証明を行わねばなりません。その点は、十分に注意することが必要だと考えます。

論理的方法にルールはない

masuzawa3研究においては、論理的に考えることが重要です。しかし、こう考えれば論理的というルールはないと思います。むしろ、考え方を固定させず、自由にさまざまな方向から発想するほうがいいでしょう。その際、「この発想ではどこがいいのか」「どこがよくないのか」「うまくいかない可能性があるか」などを、筋道を立て、理由を挙げながらきっちりと捉えることがポイントだと思います。
ヒューマンウエアイノベーションプログラムには、異分野の学生と定期的に議論する機会が設けられていますが、これは非常によいことです。融合研究においてリーダーシップを発揮する人材を育成するため、学生たちの自由な発想を妨げないようにしたいと配慮しています。ただし、このプログラムはあくまでも融合研究の機会を与えるもので、機会をどう生かすかは学生次第。思う存分活用してもらいたいと思います。

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