コンピュータと生物実験から研究テーマに接近

互いに相手の領域を本気で理解しようとするとき、
融合研究は爆発的に進む可能性がある。

清水 浩 教授
(プログラムコーディネーター)

Shimizu, Hiroshi

情報科学研究科 代謝情報工学講座

清水 浩 教授<br>  (プログラムコーディネーター)

清水教授の専門分野は代謝情報工学。
生物工学、情報科学の双方から研究を進め、細菌を活用した工業製品作りに取り組んできた。今回のプログラムを機に、融合研究がさらに広がると期待している。

細胞をデザインし、有用性を高める

私の研究は、ひと言でいうと、細胞を利用して、人間が欲しい物質を作らせようというものです。今やゲノム解析が進んで、細胞の中がよく分かるようになってきたので、研究がやりやすくなりました。

具体的には、有用微生物の機能向上に取り組んでいます。用いる微生物は大腸菌、酵母菌、コリネ菌、枯草菌、シアノバクテリアなど。
まず細胞の状態を分子レベルで調べ、コンピュータでデザインしながら、実際に細胞を作ります。結果をフィードバックして、よりよいデザインを考える、この繰り返しです。
一例を紹介すると、光合成を行う細菌の一つであるシアノバクテリアを改良して、より盛んに光合成をさせる細胞づくりを行っています。これは温暖化の一因といわれる二酸化炭素の削減にもつながる研究です。photo_sample01shimizu

 

異分野との相互補完を求めて

私たちの分野では、融合研究が欠かせません。というのも、細胞を「デザインする・つくる・調べる・検証する」というプロセスを、一人で完結することは困難。他の研究者の力を借りなければ、研究を前に進められないのです。
異分野の先生とは「研究のタネ」について討論したい。研究というのは、異分野との相互補完によって爆発的に進む可能性があるものです。他分野と組み合わせればプラスに作用する可能性を秘めた技術は、うちにもあると思います。

自由な発想、挑戦する気風を育てたい

photo_shimizu02学生同士の交流にも期待しています。異分野の先生とも自由に交流していけば、今までとは違うタイプの研究者が生まれるかもしれません。
このプログラムの参加者同士がベンチャー企業を創ったら楽しいだろうなと思うんです。チャレンジの気風、失敗しても、挑戦したことを評価する気風を育てたいですね。
最後に私の経験をふまえていうと、融合研究成功の秘訣は、たとえ短期間でも相手の領域で本気になること。互いに本気で理解しようと努力することから、双方にとって価値のある研究が生まれると思います。

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