機械という視点から、生物を見る、探究する

学生たちに、新しい研究のタネをばらまきたい。
私を乗り越えて、今までにないことを始めてほしい。

難波 啓一 特任教授

Namba, Keiichi

生命機能研究科 プロトニックナノマシン研究室

難波 啓一 特任教授

「“宇宙は人類最後のフロンティア”と言われるが、私は“生命も最後のフロンティア”だと思う」。
難波教授は生命体の中に素晴らしいシステムがあることに感動し、その仕組みの解析から微小なマシンを作り出す夢を追い続けている。

エネルギーを使わず高度な能力を発揮する「生物」

脳内神経には、ナトリウムイオンだけを選択的に通過させるシステムがあります。また、細菌のべん毛はイオン透過により回るモーターで1分間に2万回もの高速で回転しながら、体長2ミクロンの体を1秒に30ミクロン進めます。べん毛モーターは直径40ナノメートル。ですが、その回転性能はF1レーシングマシンをしのぎ、使われるエネルギーは10のマイナス16乗ワット。ほとんどノイズといえる微弱なエネルギーです。
私は、もしこの生物がヒトのサイズだったら、どんなに高速で動く生きものかと想像します。なんと時速100kmにもなるのです。

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 システムとして生物を見る視点を加える

生命科学の学生が情報科学を学ぶということは、生物の組織や細胞を「情報処理をする機械、仕組み」と考える視点を加えるということです。
例えば、人の場合、摂取した栄養からエネルギーを生み出す反応に使われるATPは100kgぐらい必要です。ところが、体内にあるATPはわずか数十g。そのため、一日100kgのATPを合成する巧みなリサイクルの仕組みがあります。このリサイクル反応はほとんど熱も出さず、静かに進んでいます。
こうした、生命がもつシステムネットワークの働く仕組みを、物理の考え方をベースに順を追って理解していくこと。これが機械の働きという視点から生物を見るということです。

 「やわらかい」研究プロジェクトに

photo_namba02学生の中には、学部で物理や数学にしか接してこなかったという人もいます。そういう学生が生命科学を専攻する学生と一緒に、いろいろな生命の仕組みを分子レベルまで調べていく。いろんな人が集まり、密に協力して学問を進めるこの研究プロジェクトは、とても「やわらかくダイナックな」ものになるでしょう。

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