ヒトとヒト以外の境界線に、広範な領域からアプローチ

私にとって融合研究でない研究は考えられない。
それは、未知なるものへの不断の挑戦だ。

石黒 浩 教授

Ishiguro, Hiroshi

基礎工学研究科 知能ロボット学グループ

石黒 浩 教授

ロボット研究を通じ、「人間」と「人間でないもの」の間を考えていると語る石黒先生。肩書き、言語・運動能力などのステイタスをすべて消し去ったとき、人には何が残るのか、を追究している。

深い疑問に立ち向かうのが研究

「自分が人間かどうか」を不安に思う子どもがいます。
私がそうでした。いや、私の場合は今もこの疑問を抱えています。

これは大人になったら分かる問題ではありません。大人は「私は人間だ」と思っているでしょうが、分かったつもりになっているだけです。
心って何だろう。意思って何だろう。こういうことが私はいつも気になって、研究を続けています。

研究というのは、未知のことと既知のことの間にある「名前のつかないところ」に挑戦していくことだと思っています。一つのことを究めたいなら、深い疑問に立ち向かわねばならない。新しいことをしないといけない。いい加減なところで折り合いをつけてはいけないのです。

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融合研究はもう進んでいる

ロボット研究をしていて、「人は人を見る時、顔や仕草を気にする」ことに興味をもちました。人間には理屈で説明できないことがあるからおもしろいのです。私は人の仕草や、顔・目の動きについて、専門家の意見を聞きに行きました。
自分が追求するテーマに本気で立ち向かおうとすると、たくさんの疑問が立ち上ってきます。知らないことだらけだということに気づくのです。
だから私は、いろいろな人に協力してもらいます。その中には医学、心理学、脳科学、認知科学、演劇の演出家も言語の専門家もいます。
生命機能研究科に石黒研究室の分室がありますが、私のところでは他にもいろんな形で融合研究が進んでいます。

研究は賭け。必ず成果が出る改良とは違う

photo_ishiguro02研究はギャンブルのようなもので「自分の立てた問いに答えが見いだせるか」かは賭けです。改良なら努力次第で100%の成功が望めますが、新たなことを探検する研究の場合、成功率はせいぜい3割。
そんななかで、研究者には能力もさることながら、タフさが求められます。私は、研究室の学生みんなが研究者になるべきだとは思いません。しかし、どんな仕事の分野でも一流になってほしいと願っています。

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