相互理解から広がる視野と視点

研究室の外に出てこそ、ロボット研究と
社会とのつながりが見えてくる。

新井 健生 教授

Arai, Tatsuo

基礎工学研究科 ロボティクスグループ

新井 健生 教授

ロボットのメカニズムや動きのコントロールをデザインし、ロボットの応用分野を広げる研究開発を行う新井教授。建築土木、社会心理学、バイオサイエンスなどの領域との幅広いコラボレーションを展開している。

建築、土木、ロボットの融合

多様な分野への適応を図るという点から、これまでにも異分野との融合研究は進めてきました。その一つが、建築土木の分野でロボットを応用するための共同研究です。ここで最初に「言葉が通じないこと」を経験しました。新しい分野との交流では、言葉の違いにはいつも戸惑います。しかし、時間はかかりますが、じっくりと話し合い、相手の分野を勉強するうちに、徐々に言葉の意味がわかってきます。このような経験は、私たちの視野を広げてくれます。異分野との交流には苦労しただけ、メリットもあるということです。

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安全・安心へのアプローチ

大阪大学の人間科学部の心理系の先生方とのプロジェクトでは、人間の行動や心理を考慮したロボットの作り方、動かし方、システム設計を考えるための共同研究を行いました。ここでテーマとして取り上げたのは「安心感」でした。ロボット、システムの安心感とは何か。安心感は定量的には測れないので難しいところです。工学と心理学を融合した視点から安全・安心にアプローチするという研究は、今も続いています。

ロボットで三次元組織を作る

次に紹介するのはバイオ系への応用研究で、マイクロロボットを使って細胞から組織を作る研究を行っています。以前から、ごく小さなものをつかんだり、動かしたりするマイクロハンドの研究を進めており、現在、この技術とバイオテクノロジーを融合させて、体外で組織を作るという研究に挑戦しています。ヒューマンウェアイノベーションプログラムに関しては、バイオ系との融合であるこのプロジェクトの知見を生かして貢献できると考えています。

互いの技術・成果の「貼り合わせ」ではない相互理解が大切

arai3融合研究で大切なことは、相手の研究内容をきちんと理解し、そのうえで我々の研究成果を提供することだと思います。互いの技術を貼り合わせるだけではいけない。それでは、次に続くものは生まれません。自分の分野を相手に説明する努力も怠ってはいけないと考えます。
融合研究に携わると、学生は視野が広がります。研究室内だけで活動していると、「ロボットは社会のどの分野でどのような使い道があるか」がイメージしにくいのです。研究室の外の情報をたくさん取り入れ、視野と視点を広げることは、やはり必要だと思います。

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