企業インタビューにより産業界の視点をプラス(必須講義:イノベーション入門 2016)

2016.7.29- 阪大情報科学C棟 C401 & 各会社

産業界からイノベーションを学び、斎同熟議を通して自らで考える

融合領域の視点に産業界の視点を足してイノベーションを起こす素養を身につけるため、まずは1年次の前期にイノベーション入門が実施されました。集中講義にて会社について学んだ後に、専門分野の異なる複数の学生がチームを組み、産業界の一線で活躍されている方々との面談の中から産業界の視点を学ぶとともに、異分野間での徹底した議論に基づいて新しい価値の創造に挑戦するという実践形式のイベントです(1年生の必須講義の一環)。この後、1年次後期のイノベーション創出論へとつながります。

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p1040801最初の集中講義の講師は昨年同様、大阪大学CLIC(協働育成型イノベーション創出リーダー養成)の松尾誠二先生。株式会社リクルートに20年間務めた経歴を持ち、現在はキャリアドゥの代表も兼任しています。集中講義では、「会社とは何か」、「イノベーションはなぜ必要か」、「効果的なコミュニケーションの方法と、メール、会話、名刺交換、ふるまいなどの社会マナー」について、練習なども含めた実践形式で学びました。

企業訪問は3~4人の履修生チームで行いました。訪問する企業は履修生の希望などにより毎年変わりますが、今年は前年度に好評だったことと、産業界アドバイザを含めるという試みをしてみようということから、HWの参画企業のうち、日立(赤津 雅晴 様)、マイクロソフト(榊原 彰 様)、東芝(折原 良平 様)、NTT(芳賀 恒之 様)、オムロン(池田 徹 様、諏訪 正樹 様)、堀場(臼井 誠次 様、道北 俊行 様、中園 真修 様)、NICT(土井 美和子 様)の皆様にご協力いただきました(なんたる貴重な機会でしょうか!本当にありがとうございます!)。日程調整なども履修生自身が行い、事前に質問内容も考えて企業訪問・インタビューに臨みましmsinterview_photoた。このように企業に直接訪問してインタビューから学ぶ機会は、通常のコースワークではなかなかない機会であり、履修生にとって貴重な経験となったようです。特に、どの企業においても、まさにリーダーシップをもって集団の方向性を決めている/決めてきた方々に担当していただけたこと はHWならではの機会です。

 

企業訪問の後には、各チームが企業から学んだことと、それを踏まえて自分たちが起こしたいイノベーションについてプレゼンしました。また、ここではCLICの吉田耕治先生(約20年システムエンジニア、ITベンチャー起業8年、大学発バイオベンチャーCEOを4年の経歴の持ち主です)にも見ていただき、産学連携視点のコメントをいただきました。各プレゼンについて議論を行うとともに、最後に全員で斎同熟議を行いました。各企業から学んできたことの統合や、それぞれのイノベーションについての議論、これからの日々の心がけなど、 白熱したプレゼン&議論によりそれぞれに学んだことや履修生が生みだした考えを共有し、さらに発展させました。

以上のように、HW履修1年目において、会社の基礎知識を座学で学び、実際に企業を訪問してナマの産業視点を学び、一度自分たちでイノベーション創造に挑戦してみるという密な実践イベントにより、履修生達の能力や意識は大きく向上したことでしょう。さらに、今年は履修生から、「前年度の先輩の経験談がとても参考になった」という声が多数あり、学年を超えた蓄積も見えました。以下の感想のように、たくhoriba_interview_photoさんの達成感を感じたとともに、各学生にとって今回のような機会は初めてであり、また密な実践一発勝負になっていることから、反省点もしっかりと感じることができたようです。このような達成感も反省もどちらも実践だからこそであり、HWの履修生は前向きで個性が強くそれぞれのスタイルで吸収するため、今後の成長が楽しみです。

履修生の感想

下村 優 (情報)>> 今回,企業の方々,しかも重役に就いていられる方にインタビューをすることができ非常に貴重な時間となりました.その中で産業界の方々がどのような視点で研究,開発を行っているか聞くことができたことはとても有意義でした.また名刺の渡し方などの社会人としての基礎も実践することができたので良い経験だと感じました.%e5%86%99%e7%9c%9f%e6%97%a5%e7%ab%8b%e7%8f%ad1

五島 剛 (情報)>> 産業界について、とても参考になる意見を頂けました。今までは、ビジネスモデルなどは全く考えておらず、環境に良かったり、食糧問題を解決する発見をすれば(利益が小さくても)勝手に普及するものと考えていました。今後、イノベーションを考えるにあたって、このような視点でも考えていきたいと思います。

坂本 昂輝 (情報)>> これまでの人生ではほとんど学問にしか触れてこず、産業界と学術界を意識し始めたという意味で成長した。私は特に産業界を目指しているので、企業訪問を経て、顧客という存在に重点を置く考え方に新鮮さを感じた。 一方で、社会について何も知らないと痛感させられた。今、どのような研究開発がなぜ進められているのか、どのような技術がなぜ重要視されているのか等、社会の方向性を知らなければならないと思った。そうすることで、より適切な課題を設定することが可能になるのではないか、と思う。interview_omron_%e5%86%99%e7%9c%9f

佐竹 幸大 (情報)>> 一流の人から話を聞き、そこから学んだ内容を抽出し、自らイノベーションの提案を行い、発表するという貴重な経験を詰むことが出来たので、発想力やプレゼンテーション能力(表現力)を養えたと感じています。こういった能力は、これからの研究生活や社会人になってからも確実に必要となると思います。 今後ますます必要になるこういった能力を授業の中で養うことが出来て、非常に成長出来たと感じています。

辻 健太 (情報)>> 個人では実現できなかった有名企業の役職の方と議論できる貴重な機会を頂き,たいへん感謝している.  そして,イノベーションには自分を無くしていくことも含まれることに気づかされた. これは,自己主張の私にとって新鮮な姿勢であった.  最後に,全体として様々な価値観に触れられる楽しく有意義な機会となった.

三浦 太樹 (情報)>> 最終発表では企業ごとに異なる思考のエッセンスを(良い意味で)つまみ食いでき面白かったです.%e5%86%99%e7%9c%9fntt

大石 浩輝 (生命)>> この講義が私にとって初めてのイノベーションについて考える場であった。イノベーションについて考えることで、自分の行う研究、活動が果たしてどのような作用を社会に対してもたらすのかといった、マクロな視点で考える癖がついた。これは成長だと考える。

大杉 清之 (生命)>> 企業インタビューを通して、今までよりは社会に目を向けた考えを持てるようになったと感じる。インタビュイーになってくださった方からは、社会に向けた取り組みを行う上でのとても的確なご意見を、沢山頂けた。僕自身も、人の共感を呼べるような倫理観を持ち、社会に対して何ができるかを的確に伝え、自信を持って発言を行えるようになろうと思った。

都築 拓 (生命)>> 問題解決の方法論について,時間を取ってじっくり考えられたのは良かったとimgp1553ss思います.

西田 圭吾 (生命)>> 下調べを十二分に行い、インタビュー目的の設定、質問項

目のリストアップをしたつもりでインタビューに臨んだが、チームで時間をうまく作れなかったこともあり、事前にその意図が共有しきれていなかった。その結果、インタビューでもっと掘り下げるべき内容をさらっと流していたり、インタビュー内容に沿わない議論が多々生じた。結果として、チームとしてうまくまとまることができなかった。今後は、チーム内で前提となる条件を十分に共有したことを確認したうえで、課題に取り組んでいきたい。

畑中 岳 (生命)>> 企業のなかでおこるイノベーションは、事業についての意思決定や、企業としての強みの生かしかたなど、大学の研究室とは異なる規模の組織で動いていることを改めて実感
した。訪問企業の事業が多岐にわたりその全容を把握するのは難しいと思われるが、もう少し深toshibaいところまで調べ、メモに準備したうえでインタビューに挑むと
先方の話が広がったときにもさらに質問を重ねることがで
きたと思う。

三田 真志郎 (生命)>> 度胸がついた。

内田 貴久 (基礎工)>> 社会的なマナーといったものから,企業側の考え方まで,普段の研究を行っているだけでは得られない経験を,それも意識しながらできたことは非常にいい経験になった.「入門」ということなら満足できるが,「本当のイノベーション」を考えると,いい意味で欲求不満(自分の考え
る力の未熟さ)が残るものであった.これを今後の研究やその他にも生かしていけたらと思う.nttomron_nict