第4回阪大院生 知の横断

2018.11.3 大阪大学豊中キャンパス理学研究科J棟2階 南部陽一郎ホール

2018年11月3日(土)、大阪大学豊中キャンパス南部陽一郎ホールにて、「第4回 阪大院生 知の横断」が開催されました。本会は、大阪大学の大学院生が講演を行うことで、院生同士が異分野交流を深めると同時に、中高生や学部生に将来の進路を考えるきっかけとなる場を与えることを目的としています。第4回となる今回も、のべ57名(うち高校生35名)もの方に参加していただき、聴衆と講演者の間で活発な議論を行うことができました。今後は報告者ら中心メンバーが卒業したあとも継続できるように、若い世代に運営を引き継くことも意識しながら活動を進めていきたく考えています。

 

講演の様子

3人の大学院生(リーディングプログラム生)に、それぞれの専門研究について、中高生でもわかる難易度で講演をしていただきました。

1人目の講演者は生命機能研究科D1/ヒューマンウェアイノベーションプログラム4期生の三田真志郎さんでした。講演でタイトルは「脳の認知モデルが変える音楽の未来像」でした。機械学習の基本的な仕組みから始まり、コンピュータによる自動作曲まで話が広がり、聴衆の興味をひきつけていました。特に高校生からの質問が多くなされていたことが印象的でした。軽妙な語り口も交え、トップバッターとして場を温める役割を見事に果たしていただきました。

2人目は講演者は言語文化研究科D1/未来共生プログラムの林貴哉さんでした。講演タイトルは「”人”から考える言語学習 ~ 経験を聞くこと / 書くことを通して ~」でした。ベトナムや日本のベトナム人集落におけるフィールドワーク経験を踏まえ、異国の文化を理解することの難しさと重要性を、たっぷりの臨場感とともに話していただきました。質疑応答では、論文のまとめ方に関する文理の考え方の違いについて、熱い議論がなされていました。これはまさに文系と理系の研究者を一同に集めた本会だからこそ生じえた議論だと感じ、本会の主催として嬉しく思いました。

3人目の講演者は生命機能研究科D2/生体統御プログラムの大西真駿さんでした。講演タイトルは「老化のカギを握るミトコンドリアとオートファジー」でした。細胞の自食作用(オートファジー)について、比喩なども多く取り入れながら、わかりやすく説明してくれました。また、基礎研究者としての立場から、シンプルでわかりやすい表現だけを受け入れるのではなく、結果を真摯に正しく解釈しようとする姿勢の重要性を熱く語っていた姿が印象的でした。

どの講演者に対しても、時間内に収まりきらない多くの質問があり、講演後も個別に話を聞きに行く聴衆の姿が見られました。聴衆と講演者が近い距離で楽しく議論を交わすことができており、異分野交流やアウトリーチと行った本会の目的は十分に達せられたと考えています。

 

今後の展望

今回は、学部生の実行委員にも仕事を任せ、今の中心的な委員が卒業したあとも、本会を継続できるようにすることを意識して運営を進めました。参加者から「今後も続けてほしい」という声も頂いており、実行委員としても続けて行きたく思っています。10年、20年と継続的に開催する中で、「知の横断」を、異分野の交流を促しつつ阪大生が自身の研究を社会に発信するための場に成長させていくことが今後の目標です。

文責・島谷二郎