第3回阪大院生 知の横断

2017.11.3 大阪大学豊中キャンパス基礎工国際棟

2017年11月3日(金・祝)に、大阪大学豊中キャンパス基礎工学国際棟ホワイエにて、「第3回 阪大院生 知の横断」が開催されました。本会の目的は、大学院生の異分野交流と、中高生へのアウトリーチを行うことです。特に中高生にとって本会が将来の指針を得るきっかけとなることを期待しています。このために大阪大学の大学院生が自身の専門研究について講演を行う中で、聴衆と講師が活発な質疑応答を行います。第3回となる今回は、3名の大学院生が「地震学」「社会学」「神経科学」というテーマで講演を行いました。参加者数はのべ51名(うち中高生18名)であり、第2回よりも減少しましたが、逆に質問が出やすい雰囲気になり、密な会になったと感じられました。実際、どの講演も時間内に収まりきらないほど質疑が活発になされており、異分野交流とアウトリーチという本会の目的は達成できたと考えています。また本会終了後から次年度の開催に向けて、学部生の運営委員の募集をはじめました。現在の中心的なメンバーが大阪大学を離れても活動を継続できるように、引き継ぎを始めとする準備体制を整えていきたく考えています。

 

講演の様子

1人目の講演者は理学研究科D1の金木俊也さんで、「地震研究の”今まで”と”これから”」というテーマで話していただきました。地球を相手に研究を行うことの楽しさや、調査のために数ヶ月、船の上で過ごした経験などについて、楽しく話してくれました。また地震の予知は現在の技術では不可能であるという話から、世に出ている地震予知アプリなどを安易に信用し頼るのではなく、防災意識を日常的に持つことが大切であるというメッセージを伝えていただきました。

2人目の講演者は人間科学研究科M2/未来共生プログラムの澤井未緩さんで、「差別感情を科学する ~ 部落問題を中心として ~」というテーマで話をしていただきました。多くの人が自分は差別をしていないと思っているが、実はそれは殆どの場合間違いであり、差別というのは自分でも気づかないうちにしてしまっているものなのだ、という話に多くの聴衆がはっとさせられました。無意識下の差別を防ぐことは難しいけれども、自分が差別しているかも知れないという意識を持って他者と接することが大切なのだというメッセージが印象的でした。

3人目の講演者は理学研究科D3の山崎修平さんで、「シンプルな線虫を使って複雑な学習の仕組みを解明する」というテーマについて話していただきました。モデル生物である線虫(C. elegans)によって生命の仕組みを明らかにする研究の話には大きなロマンが感じられました。また線虫の動き方を機械学習的な手法を用いて分析されており、情報と生命の分野を個人の中で融合させて研究されているというところが印象的でした。高校生向けの実験の授業もされており、聴衆をうまく巻き込みながら楽しく講演をされていました。

 

今後の展望

今回からの試みとして、リーディング大学院生以外の方にも講演を行っていただきました。これは間口を広げたいという目的と、リーディング生以外の面白い阪大生の話を聞いてみたいという思いからでした。結果、全講演者ともたいへん盛り上がる議論を行うことができ、間口を広げてみてよかったと感じました。また次年度以降の開催に向けて、運営委員の募集を開始しています。運営委員の世代の若返りを図り、今後10年、20年と本会を継続していくためです。本会を少しずつ間口を広げて継続していく中で、阪大生同士の交流を促進するとともに、阪大生の魅力を世の中に伝えるプラットフォームにすることが今後の目標です。

文責・島谷二郎