文理を超えた異分野交流
~阪大リーディング合同研究会「阪大院生五者知の横断」

2016.7.10 豊中キャンパス 基礎工学国際棟

event-info_160710-32016年7月10日に大阪大学豊中キャンパス基礎工学国際棟ホワイエにて、『阪大院生五者 知の横断』が開催されました。本研究会は異分野交流と中高生へのアウトリーチ活動を主目的とし、カデットプログラム1期生の秦徳郎さんを中心とした阪大のリーディングプログラムに所属する学生らによって企画されました。本研究会について、実行委員として関わっていたヒューマンウェア3期生の島谷より報告します。

本研究会の目的

本研究会の目的は文理を超えた異分野交流と中高生に研究生活の実際を知ってもらうためのアウトリーチ活動を行うことです。また本研究会は阪大に存在する5つのリーディングプログラムが合同で行う初めての企画であり、これまで希薄だった阪大リーディング間の交流を活性化させるきっかけとすることも、副次的な目的としてありました。これらの目的を達するため、5人の阪大リーディング大学院生(超域、カデット、未来共生、生体統御、ヒューマン)による講演、大阪大学社会経済研究所の大竹文雄先生によるゲストトーク、ロボット研究で知られる石黒研究室の見学会が行われました。

5人のリーディング大学院生による自身の専門研究の紹介

act160710-1本研究会の目的の一つに異分野交流があります。そこで文理の壁を超えて多様なテーマについて議論するため、阪大の各リーディングプログラムに所属する5人の大学院生が自身の専門研究やその意義について発表を行いました。いずれの講演者も、リーディング生の名に恥じない、楽しく分かりやすく興味深い発表を行っていました。そして、それに聴衆も加わって講演時間に収まりきらないほどの白熱した議論が交わされました。以下、各講演者の発表内容を簡単に記述します。カデットの森川さんは単分子とは何かに関する丁寧な導入から現在行っている熱電素子に関する研究やそれがどのように世の中の役に立つのかについて発表しました。超域の関さんは能楽の研究について、アメリカやブラジルで行われた能楽上演の事例から、日本の伝統芸能を海外に発信することの意味について分かりやすく説明していました。
act20160710-5ヒューマンウェアの立川さんは人間そっくりのアンドロイドに関する研究を通じた「人間とは何か」という問いへの探求と実際に行われてきた興味深い実験の事例を紹介し、巧みな話術と合わせて聴衆の心を掴んでいました。未来共生の伊藤さんは国内外での豊富なフィールド研究の経験を踏まえて、教育という大きなテーマに対する問題点が投げかけ、幾つもの興味深い議論を巻き起こしました。生体統御の山本さんは生命を維持するための非常に重要な機能の一つであるオートファジー研究の最先端について、細胞を「見る」という手法に焦点をおきながら軽妙な語り口で楽しく発表していました。

社会経済研究所の大竹文雄先生によるゲストトーク

act160710-2ゲストトークとして、大阪大学特別教授でもある、社会経済研究所の大竹文雄先生による講演が行われました。サンクコストバイアスや現在バイアスといった日常生活で私達が直面する逃れがたい錯覚(バイアス)について、豊富な事例や問答、ユーモアを交えながら発表が行われました。「暮らしに役立つ経済学」という題目のとおり、日常での行動や考え方を変えてみようと思えるような密度の濃い講演でした。また講演の中では高校生に対する熱いエールも送られ、多くの聴衆にとって心に残る講演となりました。

石黒研究室見学

研究生活の実際に触れてもらうため、研究会終了後、希望者30名程度に対しアンドロイド研究で知られる石黒研究室の見学会が行われました。見学者はアンドロイドを始めとする石黒研が研究に用いている様々なロボットが動いている様子を目の当たりにし、またロボットとのインタラクションを体験することができました。ロボットを用いる意義や研究の実際について、見学者から多くの質問がなされ、充実した見学会となりました。

 

当日は、高校生23名を含む、のべ86人もの人々に参加していただき、実行委員らが思い描いていたような聴衆と講演者が双方向的に意見しあう活発な議論の場を作り出すことができました。アンケートでは「視野が広がった」「普段聞けないことが聞けてよかった」などのたくさんの好意的な評価を頂くことができ、実行委員としてやってよかったと思える内容でした。また本研究会は阪大初の5大リーディング合同企画でもあり、研究会や会終了後の懇親会を通じてリーディング生同士の親交を深めることができ、今後のリーディング間交流の活発化に向けても意義深いものとすることができました。
act20160710-6最後に、本研究会は阪大全リーディングプログラム、高大連携オフィスの後援を受けており、関係教員、スタッフ、学生の皆様に多大なご助力を頂きました。また心温かい聴衆の方々の参加なしには、本研究会を充実したものにすることは不可能でした。末尾にはなりますが、この研究会に関わってくださった全ての方に感謝申し上げ、活動報告を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。

ヒューマンウェア3期生 島谷二郎