中国の状況を知る
~上海交通大学と大阪大学の学術交流セミナーで上海を訪問

2014,11,2~4 上海交通大学(中国)

2014年11月3日、上海交通大学で開催された第17回大阪大学上海交通大学学術交流セミナーに、履修生であるNattapong Thammasan君,高橋慧智君、Khureltulga Dashdavaa君の3名が参加しました。上海交通大学は、コンピュータサイエンスの分野で世界ランキングが39位のトップ校です。研究紹介、現地学生とのディスカッション、研究室訪問を通して、様々なことを学びました。

研究紹介

(報告:Nattapong Thammasan)

各々の大学の研究紹介では、両大学から近年の研究成果や教育体制について紹介がありました。上海交通大学からは計6件の発表があり、人工知能分野の研究に従事されているHongtao Lu教授からは、行列の因数分解という内容について、データ表現方法や現在得られている成果、更に、将来の展望について発表がありました。Fan Wu准教授からは、競売システムの問題とその解決方法について発表がありました。Linpeng Huang教授からは、アーキテクチャ主導型のソフトウェア開発について紹介がありました。ソフトウェア開発のライフサイクルにソフトウェアアーキテクチャを導入することや、信頼性の保証をソフトウェア設計に統合する方法について紹介がありました。高性能コンピュータ分野の研究に従事されているChao Li教授からは、再生可能エネルギーを利用した、地球環境に優しい高性能コンピュータに関する発表がありました。コンピュータアーキテクチャ分野の研究に従事されているLi Jiang教授からは、コンピュータシステムの信頼性向上について発表がありました。また、Lizhuang Ma教授からは、視覚メディア生成やその処理システム、データマイニング技術の適用について発表がありました。

一方、大阪大学からは4件の発表がありました。情報科学研究科の森田浩教授からは、今年度より開講した大阪大学情報科学研究科における英語プログラムの紹介がありました。同じく情報科学研究科の土屋達弘教授からは、ソフトウェアのテストケースの作成や、組合せ理論の適用についての研究紹介がありました。更に、情報科学研究科の尾上孝雄教授からは、組み込みシステムの研究紹介がありました。そして最後に、未来戦略機構の中野賢特任准教授から、ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラムの紹介がありました。

今回の上海交通大学訪問では、中国と日本の研究開発や教育制度において異なる点を多く感じとることができ、非常に有意義な時間を過ごせました。

学生間ディスカッション

(報告:高橋慧智)

両大学からの研究や教育体制の紹介の後、教員と学生に別れてそれぞれ様々なトピックについて議論を行いました。

私たち学生は、主に大学院における研究や卒業後の就職についてカジュアルな雰囲気で話しました。最も時間を費やした話題は研究についてで、双方の大学における研究トレンドについて情報交換を行いました。中国の学生は、将来の就職におけるアドバンテージをも見込んで戦略的に自らの研究分野を選択しているのが特徴的でした。また、就職に関して言えば、両大学の学生ともに共通の悩みや考えが多く、距離を近く感じました。

これ以外にも個人的に印象に残っているのは、日本の少子高齢化社会についての議論です。中国の学生も日本の少子高齢化問題を認知しているらしく、中国の学生側の質問から始まり、少子高齢化の原因や対策などについて、中国と日本の社会や文化の違いを踏まえながら、分析を行いました。

研究室訪問

(報告:Khureltulga Dashdavaa)

本学術セミナーの一番最後に3つの研究室を訪問しました。1つの目の研究室では、車の運転手の疲労度を画像処理やセンサーの技術を使って自動的に判断する研究について紹介がありました。この研究では、本物の車を建物の3階にある研究室に導入して、試作品の開発や評価実験を行っています。これだけのエフォートをしているからこそ、情報科学技術分野のトップ校になっているのだろうと考えました。

2つ目の研究室では、画像処理技術を駆使した、写真や動画の編集ソフトウェアについて紹介がありました。特に興味深かった点は、人間の動きを録画し、画像処理を応用して、他のアニメのキャラクターに置き換える技術でした。この技術によって、非常に滑らかな動きをするアニメーションの作成が可能になっていました。

3つ目の研究室では、音声処理システムについて紹介がありました。音声データを処理することによって話している内容を理解したり、コンピュータによる会話に感情を入れるといった研究について紹介がありました。さらに、大量のデータを圧縮する方法についての紹介がありました。個人的には、コンピュータの音声に感情を入れる研究に興味をもちました。コンピュータの音声に「寂しい」とか「楽しい」といった感情を入れてコミュニケーションをすると、私たちのコンピュータへの対応もかなり変わるのではと思いました。

activity_20141104-1