耳コピハッカソン合宿
~Deep LearningとCloud Computingを実践してみよう!~

2016.9.29~10.2 コープ・イン京都

(English) 2016年9月29日から10月2日にかけて、HW履修生11人が日頃の喧騒から離れてコープイン京都に宿泊し、「耳コピハッカソン合宿」を行いました。合宿は大変盛り上がり、活発な議論の場、そして教えあいの場となりました。サブタイトルにもあるように、「Deep LearningとCloud Computingを実践してみよう!」という目的のもとに四期生が中心となって本合宿を企画しました。

report20160929-1

近年、インターネットを介したビッグデータの蓄積とともに画像認識、音声認識などの分野にDeep Learningという技術が適用され目覚ましい成果を挙げています。また、ビッグデータを解析する際には手元のパソコンを使うのではなく、インターネットを介してクラウド上にオンデマンドで作業内容に応じたスペックのサーバーを構築し、解析を行うという手法が普及しています。こういった時代背景のなか、「音楽を聴き取って楽譜に直す(耳コピ)」という、”現在は職人技により担われているタスク”を機械に自動的に行わせる技術にDeep Learningを応用してみよう、ということで「耳コピハッカソン合宿」の企画に至りました。

4チームに分かれてDeep LearningとCloud Computingを実践

合宿1日目は参加者の自己紹介に続き、企画代表者である三田が事前に用意した耳コピのサンプルプログラムのハンズオンを行いました。その後,チームに別れて関連研究の調査や、ディスカッションを通して、耳コピの自動化精度を向上するための新たなシステムの設計アイデアを模索しました。
2日目の午後には、各チームで考えた設計アイデアを発表し合い、参加者全員で議論しました。メンターとして参加した中村特任准教授のコメントも参考にして、それぞれのチームが設計アイデアをブラッシュアップしました。
3日目と4日目の午前中は設計アイデアをもとにしたDeep Learningモデルを実装する時間となりました。ここで参加者が学んだことは、共同開発を行うためにチーム内でどう役割分担するべきなのかということ、お互いに理解しやすいコードを書くことの重要性、環境の構築は一筋縄ではいかなく時間がかかる可能性が高いということです。Amazon Web Service上でCloud Computingを行うための環境構築に思いのほか時間を取られたことで、すべてのチームがそれぞれの設計アイデアを実装し、パラメータ調整ができる段階にたどり着くのは4日目の朝となっていました。実際にモデルを実装してパラメータを変えながら実験をするための十分な時間が残されていなかったことは今回反省すべき点の一つです。企画者が事前にDeep Learningの環境構築に精通したスペシャリストにコンタクトをとるなど、環境構築をスムーズに行うための手順を確認しておくべきでした。
4日目の午後には成果発表を兼ねた最終プレゼンを行いました。「周波数上でオクターブごとにネットワークを分割してトレーニングする」というAlexisさんのアイデアにより最も良い精度を実現したチーム2が優勝しました。パラメータの調整等の試行錯誤をする時間が十分に取れなかった他のチームも、本企画の目的の一つである「Deep LearningとCloud Computingを実践するための一連のスキルを習得する」という課題は達成できました。このスキルはアカデミックか産業界かに関わらず様々な分野のデータの解析に利用できる汎用性の高いものなので、耳コピタスクのみならず、将来各々の専門研究にも役立つ強力なスキルとしても期待できます。

report20160929-2

リーダーシップとチームの役割について再考

本合宿で履修生が得た収穫は技術的なスキルにとどまりません。本企画は、ヒューマンウェアプログラムに参加してまだ半年足らずの四期生にとって、リーダーシップやマネジメントに関わるスキルを磨く絶好の機会にもなりました。企画の立ち上げから予算の申請、会場の手配、参加者の募集と日程調整、データセットやサンプルコードの作成、説明用資料などの準備、報告書の作成、そして今まさに行っているこの文章の執筆、という一連の流れをこなすことにより、適材適所な役割分担とは何かということや、企画を引っ張るリーダーの役割とは何かということなどをあらためて考え直すことができました。チームとしてシナジーを起こす(つまり「1人+1人=2人分の力」ではなく、「1人+1人=3人分以上の力」を発揮する)にはお互いに相手の能力についてよく知っておくことと、それに加えて経験豊富な強いリーダーの存在がないと、そうそう簡単に起こすことができないものだと実感しました。