阪大生イノベーションカフェ ~生命が織りなす次世代テクノロジー~

2017.12.16 アートエリアB1

 

私たちヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム履修生は、生命、認知、情報の3つの研究分野を専門とする学生で構成されており、専門分野を超えてどのような未来を作っていけるのか日々議論を行っています。今回のラボカフェでは、普段私たちが行っている研究の一部を題材にして、来場者の方々と未来のテクノロジーについて語り合いたいと考えています。今回の題材は“生命”に関する研究です。生命は40億年もの年月をかけて洗練されてきた優れた装置ですが、それの原理を知り、工学的に応用するにはどうすればよいのか、「DNAコンピュータ」「視覚の神経メカニズム」「脳に学んだネットワーク制御」「自己認識のモデル化」の4つのトピックをご紹介します。そのあと、これらの題材を通して、情報系博士のタマゴたちと語り合いませんか。

 

【日時】2017年12月16日(土) 17:00~20:00 [無料・途中入退場自由]
【会場】アートエリアB1 (京阪電車なにわ橋駅地下1階コンコース内)
【定員】30名程度
【主催】大阪大学ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム

 

【当日のタイムテーブル】

17:00 ~ 17:10 開会の挨拶

17:10 ~ 17:40 プレゼンセッション(1)

「DNAコンピュータ」、「視覚の神経メカニズム」について

17:55 ~ 18:25  プレゼンセッション(2)

「脳に学んだネットワーク制御」、「自己認識のモデル化」について

18:25 ~ 18:40 パネルセッション

プレゼンの内容を踏まえて、4人の登壇者と参加者で議論を行います。

18:40 ~ 20:00 ポスターセッション

主催者10名の研究をポスター形式で発表いたします

 

【プレゼンの内容】

「DNAコンピュータ」… 近年のコンピュータは様々な問題を解き、事象の解明や人工知能開発に寄与してきた。しかし、複雑な計算には未だ膨大な時間を要しており、また計算速度において性能限界を迎えつつある。そこで人間の遺伝情報を担うDNAを利用した、新たなコンピュータが提案されている。DNAがもつ性質を巧みに利用することで膨大な計算が容易に解け、大容量のデータを保存可能となる。本セッションでは、DNAコンピュータの概要と最新動向について紹介する。

「視覚の神経メカニズム」… 私たちは目でものを見ることでそれが何であるか、どのような状態であるかを知ることができる。物体認識と呼ばれるこの情報処理過程は、主に大脳皮質において行われている。「目でものを見てわかる」一見簡単そうなプロセスであるが、実際は多数の神経細胞が織りなす複雑なネットワークの上で実現されており、いまだにその全容は解明されていない。今回のセッションでは神経細胞のふるまいを、目に入った入力画像から推定するモデリングアプローチを導入し、神経科学者がどのようにして視覚の謎に迫っているのかについて、話題を提供する。

「脳に学んだネットワーク制御」… 近年、ライブストリーミングやクラウドサービス等によって、ネットワーク需要が急速に増加している。しかし、それに伴ってネットワーク通信量(トラフィック)が頻繁かつ大幅に変動し、ネットワークに不安定さをもたらしている。そこで、本セッションでは脳の認知モデルを用いたトラフィックエンジニアリング(TE)、つまり限られたトラフィック情報から現在のトラフィック環境を認知し、さらに未来のトラフィック環境までも予測することによって、将来にわたって安定的なネットワークを再設計する手法を紹介する。

「自己認識のモデル化」…人工知能エージェントの自己認識機構の獲得は人工知能に意識を持たせるための一歩となるだろう。心理学の分野では自己を認識するために必要な要素は挙げられているが、そのふるまいについては説明できていない。一方で脳科学の分野では、脳機能部位の説明に留まりシステム全体としての機能に言及しきれていない。自己認識のモデル化には、このギャップを埋めることが重要であると考えられる。本セッションでは自己認識を計算機械に実装する取り組みに加えて、主催のプログラム履修生らによる自己認識のモデル化にまつわるプロジェクトの簡単な紹介を行う。